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学年末テスト最終日。
社会科のテストは既に昨日に終わっていて、採点は今日明日には終わる予定だ。

TRIGGERのライブチケットも当選し、3月21日は午前中授業で部活自体がない日になっていて、職員会議があるようだ。
詳細を聞けば17時からのライブに間に合いそうなので、妹と2人で行く事になった。


「当日は遅刻しないようにね、お姉ちゃん!」


妹に言われた事を思い出してる所でチャイムが鳴り、定期テストが終わって答案を回収する。
回収が終わった所で、クラスの日直が号令を出した。


「せんせー」


さよならー、とか、バイバイ、という挨拶が飛び交う中、声をかけてきたのは四葉くんだ。


『何〜?』
「ダンス部ってあるよな。ちょっとだけ入部するって出来ね?」
『え?ちょっとだけ入部?』


教卓の向こう側から頬杖をついて、真面目な顔してる四葉くんは、見るからに本気のようだ。


『体験入部ってこと?』
「体験・・・」
『試しに、どんなのか入ってみるってこと』
「それって途中でやめれんの?」
『お試しだからやめれるし、部活動は強制じゃないから良いけど・・・』
「けど?」


四葉くんはアイドルなんだよね?
普通にダンス踊ったり歌ったりするんだよね?
じゃあ部活入らなくても、事務所のトレーニングとかでやるんじゃないのかな?

そう思いながら返事をしていくも、小さい事務所だと思いっきりパフォーマンスの練習をする場所を確保するのも大変なのかな、という考えに行き着く。

よし。
ここは一肌脱ごうか。


『いや・・・じゃあダンス部の先生に体験入部出来るか聞いてみようか』
「マジ!?やったー!」


四葉くんは頬杖をやめ、ガッツポーズをした。

勉強に対しての姿勢は前向きじゃないけど、アイドルの仕事に対しての姿勢は前向きなのかな?
そうとらえて微笑ましく思っていると、四葉くんの腕を後ろから掴んだ人がいた。


「申し訳ありません、先生。先ほど四葉さんが言った事は聞かなかったことにしてください」


和泉一織くんだ。


『え・・・』
「ほら四葉さん、帰りますよ」
「えーっ!?帰ってもダンス出来ねぇじゃん!」
「自粛期間中なんですから当然です」


心底嫌そうな顔で、全力で教卓にしがみつく四葉くん。
和泉くんは、ぐぐぐ・・・と思い切り四葉くんの腕を引っ張ったかと思いきや、すぐに手を離す。


『ダンスの練習をする場所がないんじゃないのね?』


2人のやりとりを見て、私の考えが間違ってる事に気づいた。

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作者名:miz | 作成日時:2024年2月9日 0時

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