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芸能人が多い学校、とは言っても色々あるわけで。

名前も顔も聞いたことも見たこともない人、売れっ子も、逆に売れない子も、新人から(子役の頃から芸能界にいる)ベテランまで。

アイドルだけでなく芸人さんもいる。
モデルさんや声優さんも、舞台俳優さんなどジャンルは多岐にわたる。
テレビで観るのとは同じような性格の子もいれば、正反対な性格の子もいたり。

と言っても私はまだ約2年しか先生をやっていないので、やっとルーティーンが分かってきて慣れてきた位だから、知ったようなことは思うに留めておくしかないのだけれど。


「副担任の先生は申し訳ないんだけど、今日はインフルエンザでお休みをいただいてるんだ。戻ってきたら教えてもらってください。じゃあA先生、よろしくお願いしますね」
『はい』


その場にいる先生の自己紹介も終えた後、校長先生が和泉くんと四葉くんに向かって申し訳なさそうに言ってから、私ににこやかな笑みを向けてくれる。
頭を下げてから校長室を後にした。


和泉くんと四葉くんに、案内をしながら教室まで歩く。
すると和泉くんが鞄から学校案内を取り出した。


「説明ありがとうございます。学校案内図はいただきましたし、これを見れば場所も覚えられます。載ってない面でのお話を聞かせていただければ助かりますが、可能でしょうか?」


う、確かに・・・
でも移動のあるなしとか細かい所は、教科毎に違うからなぁ・・・

そう答えようとすると、私が口を開く前に四葉くんが口を開く。


「俺、案内図見んのめんどくさいし、いおりん教えて」
「四葉さん、私も今日からこの学校だというのをお忘れですか」


呆れたような表情をする和泉くんの言葉に、四葉くんがムッとしたように口を尖らせた。


「何?いおりんが案内図覚えるっつったんじゃん。ケチ」
「ケチじゃありません。さすがの私もすぐには難しいと思っただけです。時間を頂けるなら案内しますから」
「ん。分かった」


仲が良い。和泉くん、いおりんって呼ばれてるのね。
そういえば同じ事務所だったっけ?
小鳥遊事務所。

聞いたことない事務所だけど、小鳥遊って聞くと、小鳥遊音晴さんとか紡ちゃんを思い出す。
まさか関係あったりしないよね。
そこまで世間が狭いはずはない。


『お話は終わりかな?和泉くん、さっき聞かれた載ってない面での話だけど、移動のあるなしとか細かい所は教科毎に違うから、それ毎の先生に聞いてくれるかな?』
「分かりました」

428→←426 (3年半後ーー)



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作者名:miz | 作成日時:2024年2月9日 0時

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