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私とは一緒の部屋で寝たくないと言うので、妹はリビングに布団を敷いて寝ることになった。

妹は受験日が差し迫っているのに、言うべきじゃなかったとモヤモヤする気持ちが抜けない。
けど、聞かれたことに対して誤魔化すのもおかしいし、嘘をつきたくはない。

天井を見つめては、ごろんと寝返りを打つ。

次の日の朝起きて・・・というより土曜だったから気づけば昼に近かったのだが、気まずい気持ちのままリビングに行った。

中々寝付けなかったのに、いつの間にか寝てたな。

くあ、と欠伸をしながら辺りを見渡すと、リビングの端に畳んで積み上げられた布団、テーブルにサラダとベーコンエッグが入った器にラップがされているのを見つける。

妹は出かけたんだろう。
弟もいなさそう。

食べても良いのかな、と手を洗って椅子に座ろうとすると、ベーコンエッグの皿の前にメモがあるのを見つけた。

受験会場と希望校を見てから友達と会ってくる事と、朝食を食べてと書いてある。
妹の書き置きだ。
卵は温めるならフォークで穴開けて、ラップして温めてね!ってコメントもあった。

書いてあるとおりに卵にフォークを刺して穴を開けてからラップをして、レンジのあたためスイッチを押す。
ついでに食パンを焼いてカップスープの粉にお湯を入れて、ブランチは難なく完成した。


『いただきます』


百瀬くんと私のことは、弟がうまく言ってくれただろうが、納得いかないという気持ちは残ってるだろうなとは思うけど、メモの文面からは気にしてない様子がうかがえる。

謝るのはなんか違うもんね。
こういうのは時間が解決するもんだと思うしかない。

そう思いながら食べてると、ただいまー、と言う弟の声がした。


『おかえり』
「うわ、姉ちゃん、まだパジャマ?」
『うん。さっき起きた』


弟がコンビニのビニール袋をテーブルに置く。
中から、お昼ごはんのつもりで買ったらしいパスタサラダやお弁当が出てくる。
さすが男子。量が多い。

要るか聞かれたけど、自分の分でお腹いっぱいになりそうで断る。
弟は私の前に座って、手を合わせてから食事を始めた。

私の手元付近に置いてある、妹からのメモをチラッと見たかと思うと、時計を見てから口を開く弟。


「虎のとこ行くんだよね?間に合うの?」
『うん。食べたら行く。間に合う』


妹の話をされるのかと思ったけど、それには触れられず、食事と洗い物を終えて着替えた。

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作者名:miz | 作成日時:2024年2月9日 0時

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