【アイナナ】 vale Side百 (ページ10)

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暫くって、夏休み明けてからの中間テスト前かな。それまで教わる予定だからなぁ。

休憩しようということになって、お茶を取りに部屋を出る。
戻ると、クローゼットの所に本のカバーが、とAさんに言われた。

うそ！？ホントだ！
適当に入れたから崩れちゃったんだ！
Aさんどう思ったかな。だらしないとか最悪とか思ったかな！？

それを思われる事を想像して、勝手にショックを受ける。

いやまぁ、その通りなんだけど！！でも！！

『あ、えと･･･ごめん･･･？』

Aさんの言葉と表情にハッとした。

戸惑ってるような表情。
悪いこと言っちゃった的な感じに受け取られちゃった！？オレがすぐ答えなかったから。

Aさんにどう思われるか気にしちゃって頭が働かなかった。
誤解を早く解かないと！

「違うよ！？オレの部屋普段きれいじゃなくて！全部クローゼットん中にしまったんだよね。そん時に落っこちたのが挟まってんだと思う。めっちゃかっこ悪くてごめんね？」

焦りつつもなるべく笑いながら後頭部をかく。
Aさんがホッとしたように笑った。

『そうなんだ！うちも弟の部屋が一番酷いよ。私も片付け苦手で、あんまりきれいじゃないから分かる』

Aさんの笑顔を見られてホッとするものの、弟の弟くんの話になって思わず吹き出す。

「あはは！そうなんだ？何回も弟さんの話聞いてるけど、男同士ってこともあってそういうとこだけ似てんね！オレと同級生なんだよね？」

ちょっと興味ある。

「志望校どこなの？」
『弟？百瀬くんと同じだよ』
「えっ！？じゃあそのうちサッカー部一緒に入ったり出来るかな？」
『どうだろう？今は吹奏楽部だけど、運動は平均的には出来たはず』
「へえ！吹奏楽！あれでしょ？大会とかもあるやつ！」

めちゃくちゃ楽しい！

Aさんと長く1対1で喋る機会は今までなかったけど、こんなにお互いに笑顔で気持ちよく話せるとは思ってなかった。

姉ちゃんも入れて3人で喋ってても、そんなに長いこと喋ってなかったし。勉強優先だもんな。今もだけど。

姉ちゃんを思い出したことで、ふと昨日姉ちゃんたちがプールに行ったことを思い出す。

「そういや昨日姉ちゃんたちとプール行ったんでしょ？楽しめた？」

Aさんが表情を固まらせる。
姉ちゃん、何も言ってなかったけど、なんかあったのかな？溺れたとか？
心配になって聞くと、溺れなかったけど、逆に泳げないことを知ってたのか聞かれた。