【アイナナ】 vale Side百 (ページ3)

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目の前に姉ちゃんと･･･あれ？この人って･･･

顔も雰囲気も好み。ってか怪我した子の手当てした人だよね？なんでオレんちにいんの？

と一瞬で思って頭のてっぺんから足の先まで見ようとすると、視線が下半身で止まる。
ザッと青ざめた。

水色の･･･を認識すると、みるみるうちに自分の顔に熱が集まった。

「･･･っ」

思わず見ないように顔を押さえたし、姉ちゃんも慌ててバタンとドアを閉めてくれたけど。

『ぎゃああぁぁぁぁぁ！』

時は既に遅かった。

･

「百！帰ってくるの早かったね！？謝ろう！私の部屋で待って謝ろう！」
「謝るけど！あの人誰！？」

オレの両肩をポンポン叩きながら苦笑いする姉ちゃん。
オレの疑問に、ウッと言葉に詰まる姉ちゃんは、苦笑しながら頬をかいて口を開いた。

「･･･A、A」

オレが会いたいって言ってた人！あの時の人と同一人物だったの！？
え！？これがオレの第一印象になんの！？最悪じゃんか！

真っ青になって、Aさんが着替え終わるのを姉ちゃんの部屋で正座して待っていた。
Aさんは自分の過失だと思ったらしくて、お互いに平謝り状態になった。

こういうのって男側が悪いこと多い。しかもオレ、じっくり見ちゃったし！なのにオレを責めないのって、なんて出来た人なんだ！！

顔をあげてと言われて顔を上げると、Aさんが大きく目を見開く。
すれ違っただけのオレの事、覚えてたりするかな？

『イケ･･･』

イケ？池？行け？

姉ちゃんと一緒に首を傾げると、思ってもいない言葉がAさんから飛び出した。

『イケメンだなと･･･』

イケメン！？
今度はこっちが目を見開く番。
恥ずかしそうにするAさんは、やっぱり可愛かった。
前々から話に聞いてたのもあるのかもしんないけど。

勉強の参考書とノートを広げながら、ぽややんとAさんを思い出す。
まだ恋ほど好きって感じじゃないけど、もっと知りたいと思う。

「ちょっと百、話聞いてる！？」

姉ちゃんの声にハッとして姉ちゃんを見る。Aさんを思い出して、閃いた。

「姉ちゃん、Aさんって頭良いんだよね？」
「え？うん」
「１回、Aさんに教わってみたい」
「ええ？」
「そしたら姉ちゃんもイライラしなくなるじゃん。試しでいいからさ」
「うちの高校はバイト禁止なの、百も知ってるでしょ？それに友達に弟の家庭教師頼むのは嫌だな」
「あー、そっか」

ならいいや！ありがと！と笑顔を向ける。