【アイナナ】vale5 (ページ49)

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目が合うと、ガバっと抱きつかれてビックリした。

ぅわ、私もドキドキする！

「もー、めっちゃ嬉しい！めっちゃ好き･･･」

ため息混じりの百瀬くんの声。
更なる胸の高鳴りと、緊張感。

でもそれがちょっと心地良い。

『ふふ、私も』

思わず笑みが漏れた。

「あ、そうだ！」

百瀬くんが思い出したような声を上げて体を離す。
ボディバッグから、スマホ位の大きさのラッピングされた箱を取り出した。

「はい！クリスマスプレゼント！」
『わ、ありがとう！あ、じゃあ私も･･･』

私はショルダーバッグからペンケースほどの大きさのラッピングされた箱を取り出す。
百瀬くんに渡すと、百瀬くんも嬉しそうに受け取ってくれた。

開けていい？と聞き合ってからお互いに包装紙を開ける。

「ボールペンとシャーペン？･･･名前入ってる！」
『･･･レザーキーホルダー？』

そこまで高価で有名なブランドではないけど、人気の革製品のブランドだ。
グレーと白で花の形が作られている。

思わず百瀬くんを見ると、百瀬くんも私を見た。
同時に口が開く。

「『高くなかった？』」

2人して目を見張る。
同時にふっと吹き出した。

「だってこれ文房具屋でガラスケースに入ってんの見たことあんだもん！値段忘れちゃったけど！いいの？貰っちゃって！」
『いいよ。大学合格のお祝いも兼ねてるんだから。1ついいの持ってる方が、いざって時に格好がつくから持ってた方がいいって、お父さんに教わったんだ。だからもらって？･･･私ももらっていいの？』

「オレからのは引っ越し祝いも兼ねて！色んなカギつけられそうだし良いかなって。カバンにもつけられるし、鞄の中でどっか行った〜！ってならなさそうでしょ？」

百瀬くんの言葉と笑顔からは、純粋に私のことを考えて選んでくれた事が伝わってくる。
ふつふつと心配が喜びに戻って、口角が上がる。

『ありがとう！嬉しい！』
「オレも！めっちゃ嬉しい！大事にすんね！」

百瀬くんも嬉しそうに笑顔になってくれて、私の気持ちが伝わったことを感じる。
ホッとして頷いた。

それから夕飯を食べた後、手を繋いでイルミネーションを見ながら歩く。

「･･･年越しさ」
『ん？』

お互いの白い息が、イルミネーションの光に消える。
横から百瀬くんを見上げると、百瀬くんも私の方を向いた。

「一緒に初詣行かない？･･･大晦日の日から、姉ちゃんと弟も入れて4人で」