【アイナナ】vale5 (ページ42)

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大神くんが私の横に座る。
弟と私と大神くんで、話しながら修正をした。

『「･･･できた･･･！！」』

パソコンで検索して、Re:valeのホームページが問題ないことを確認して、大神くんと同時に声を出した。

「凄い！わかりやすかったよ。ありがとう」
《いえ･･･》
『ありがとう』

じゃあと弟との通話を切る。
大神くんが満面の笑顔でこっちを向いた。

「A、本当にありがとう」
『いやいや、弟がメインで助けただけで、私特に手助け出来てないよ？』

むしろ私の手柄にしちゃ申し訳ないレベルだ。

大神くんが首を横に振る。

「それでも分かる人が身近にいたんだし、Aに頼んで良かったよ」

穏やかな笑みを向けてくれる大神くん。
感謝の気持ちを素直に受け取ることにした。

「弟くんにお礼がしたいな。何か好きなものある？」

テーブルの上を片付けながら大神くんが言う。
別にいいよと断ろうと、言葉が頭をよぎるも、今までの大神くんの言動が、律儀で意外と頑固だというのはわかってる。
こっちが譲れなければ引いてくれる人だけど。

『んー･･･よくやってるのは音楽とオンラインゲームかな。食べ物とか物とかは意識して考えたことないんだよね』

思い出すも、特別に好きなのは思い当たらない。
吹奏楽はずっとやってるから、好きなんだろうけど。

そう思いながら口にすると、大神くんの表情が明るくなった。

「音楽好きなのか？じゃあライブチケットとか受け取ってくれるかな」
『あー、何回か誘ってるけど行ってないんだよね』

お金払ってまで行くものだと思ってないのかもしれない、と思うも、それは口にしない。
高校生だからこそ、ライブチケットの金額に二の足を踏むのは分からなくもないし。

そう思ってると、大神くんはその考えを読んだかのような事を口にした。

「じゃあチケットあげたら観に来てくれるかな」
『それはあるかもしれないけど･･･』
「好みに合わなかったら、弟くんには途中で帰ってくれても良いし」
『そんな申し訳なくて勿体ない･･･大神くんが許しても私が許さないよ』

思わず口にした本音。
大神くんは少し楽しそうに、ははっと笑った。

「ちょうど良かった。3周年ライブのチケット、ちょうど出来たんだよね」

大神くんが鞄から透明なファイルを取り出す。
数枚、テーブルに置いた。

「はい」

笑顔で差し出されたチケットを前にして、目をパチクリ。

明らかに1枚や2枚でなく数枚。