【アイナナ】vale5 (ページ25)

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お茶を飲んでから、次どれ行こうかとガイドマップを広げる。

「のんびりしたの乗ろう。あれなんてどう？」
『ジェットコースターは長かったからクラクラしただけで、あれでも大丈夫だよ？』

百瀬くんが、園内を周るバスを指さした。
私は百瀬くんが好きそうな、揺れるゴンドラを指差す。

お互いに見合って笑う。

「パレードもショーもあるし、それ挟みながらまわろっか」
『うん。歩くの疲れたらバスで移動しよう』

じゃあ行こうかと素早く腰を上げた百瀬くんが、私に手を差し出す。
その手を取って、笑顔で立ち上がった。

ゴンドラやミニコースターに乗ったりお昼食べたり、パレードやショーを観たり。

「足大丈夫？疲れてない？」
『うん、大丈夫。地面がコンクリートより柔らかい性質に作られてるとか聞いたことあるから、これだけ歩いても疲れないんだと思うけど』
「へえ！そうなの？」

わかんないなー？と地面をトストス足で叩く百瀬くんは楽しげだ。

パンダナメコランド城付近を歩いてると、近くの泉に人だかりが出来ている。

『あれ何だろ？』
「うん？」

アトラクションではなかったはずだと思ってマップを広げる。
ええと･･･と見てる間に、百瀬くんが私から離れて、直ぐに戻ってきた。

「願い事すると叶うって言われてんだって！そこのスタッフさんに聞いた！」

百瀬くんが来た方向を見ると、ほうきとちりとりを持ったスタッフらしき人の背中が見える。

『ありがとう。･･･願い事、する？』

したいな、と思いながら百瀬くんを覗う。

「うん！しよっか！」

百瀬くんは、笑顔で頷いた。

コインを投げて泉に向けて手を合わす。

“百瀬くんとこの先も一緒にいられますように･･･”

あ、あと千さんに慣れますようにとか、百瀬くんが夢を叶えますようにとか、Re:valeがメジャーデビューできますようにとか。
欲を出せば色々あるのだけど。

願い終わってチラッと百瀬くんの方を見る。

百瀬くんは既に願い終わっていたのか、私を見てクスッと笑った。

「めっちゃ一生懸命祈ってたね！何願ったの？」
『Re:valeがメジャーデビューできますよう。百瀬くんの夢が叶いますようにとか。･･･百瀬くんとこの先も一緒にいられますように･･･』

指折り言って恥ずかしくなってくる。
かあ、と体温が上がる。

「オレも！Aさんとずっと一緒にいられますようにって願った！」

百瀬くんは嬉しそうに微笑んで口を開いた。