【アイナナ】vale5 (ページ15)

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一応見た感じ、小学生の子は怪我はしてなさそうだけど。
それにしても3人とも似てるなぁ。兄弟かな？
言葉は、ちんぷんかんぷんだし健康そうに日焼けしてるところが沖縄の子っぽいけど。

中学生位の男の子が、私を向いたちょうどその時、友達がトイレを出て通路を歩いてきた。

「A？どしたの？」
『あ、えと･･･』

ホッとするも、友達が来たから会話が出来るわけじゃない。
事情を説明すると、友達が、くるっと男の子達の方を向いた。

「わっさいびーん･･･」

！？
沖縄弁しゃべりだした！！

驚いて友達を凝視する。
ゆっくりだけど会話してる。
友達が来たから会話が成り立ってる！ように見える！！

はー、と感心してると、友達が私の方を向いた。

「大丈夫だって。自分が前見てなかったから、むしろごめんなさいって謝ってるよ」

その言葉に男の子達を見る。
1番上の子が2番目の子の背中をポンと叩くと、ペコッと頭を下げる男の子。一緒に1番上の子も、更に1番下の子までも頭を下げだした。

1番下の子、めっちゃかわいい。
だが、むしろ申し訳ない。

『こっちこそ、もっと注意すれば良かった。ごめんね』

謝って頭を下げると、伝わったらしく、にこっと笑顔になる男の子達。

じゃあねと手を振ると、私たちが行く方向から小学生高学年位の男の子が走ってくる。

今度はぶつからないように避けると、ちょうどその男の子が声を上げた。

「にーにー、航之助、瑚太郎」

向かう先は、さっきの3人兄弟。似てる。
･･･4人兄弟だったのか。

合流する様を眺めてから翻す。
友達も私が一歩を踏み出してから、並んで口を開いた。

「遅かったから心配したって言ってる。4人兄弟だったんだね」
『うん。3人だと思ってた』
「私も」
『っていうか、沖縄弁！凄いね！勉強してきたの？今まで使わなかったのに』

沖縄に来てから、一度も沖縄弁を使うことなく、必要になることもなく過ごしていた。
標準語というか、多少なまりはあるものの分かる言葉ばかりに触れてきたから、時代的に今はそういう感じなのかもって思ってたけど。

必要になると思わなかった。

「彼氏の従兄弟の叔父さんが沖縄の人なんだよ。何回か会ったことあって」
『へぇ･･･って、従兄弟の叔父さんに会うほど、家族的に親密なの？』
「彼氏と叔父さんが仲いいだけだよ」

友達が苦笑する。

ふーん？と生返事を返しながら、瑠璃達のいる所に戻った。