【アイナナ】vale5 (ページ14)

今日:4 hit、昨日:36 hit、合計:27,160 hit

213 ページ14

瑠璃の袋は白と青系、ピンクや緑のも結構入っている。
私はピンクと白が基調だし他の色も入れてるけど、少ししかない。

「フォトフレームに貼る以外に、他にもなにか出来るかなって思って」

瑠璃がワクワクしてるように笑う。

「まあAが足りなくてもあげるからさ、もうちょっと拾おうよ！」

フォトフレーム以外までは考えていなかった。
楽しそう。上手くできるかどうかは別にして。

大きく頷いて、シーグラス拾いを再開した。

吹きガラスは熱くて、息を吹き出すのが意外と大変だった。

ついてくれる人が、ガラスが先についてる鉄の棒を回してくれたりしながら、息を強く、ゆっくり吹いてという難易度の高さに、自分の肺活量が問われた。
ついてくれる人がいないと出来ない物だなと思う。

『グラスでもなんでも、こういうの仕事にしてる人、尊敬する･･･』
「めっちゃわかる･･･」

友達がしみじみと言って頷いた。

出来上がりは明日に取りに来るか郵送だと言われて、郵送を選ぶ。
みんなでショッピングに出かけた。

遅めのお昼を取ったあと、フォトフレームを作る用の材料を100均で揃える。
彼氏のいる友達が、そういう工作が詳しくて器用だから、材料選びは基本的に任せた。

『ちょっとトイレ行ってくるね〜』
「あ、私も行く！」

ちょっと休憩だと言って、ベンチに座った瑠璃たちを置いて、彼氏のいる友達と一緒にトイレへ行く。
出てきても友達がまだトイレから出てきてなさそうだったので、壁に寄りかかって待つことにした。

あとはお土産とか買い物したらホテルにチェックインか。

キョロキョロと周りを見渡して、トイレへの通路を挟んだ向こう側にお土産屋さんを見つける。
すぐそこだし気づくよね、と見に行こうと、通路へ一歩を踏み出すと、走ってきた子に気づかずにぶつかった。

尻餅をつく男の子。
小学生くらいかな？

『ご、ごめんね、大丈夫？』

慌てて屈み寄る。

「やむー･･･」

男の子は顔を少し歪めて鼻を擦った。

･･･？？や？とは？？

目が点になるも、すぐにトイレの方から2人の男の子が駆け寄ってきた。

「航之助！しかんだー」

し？？

さっきから聞き慣れない言葉が飛び交う。
3人の中で1番背の高い、色黒で華奢な男の子は中学生くらいかな？
1番小さい子は中学生くらいの子に、しっかりくっついている。

目の前でちんぷんかんぷんな言葉が、背の高い子と私とぶつかった子の間で行き交うのをポツンとして見ていた。