【アイナナ】vale5 (ページ2)

今日:33 hit、昨日:19 hit、合計:27,153 hit

201 ページ2

百瀬くんたちを見送ると、ホテルのチェックインの時間まではまだまだ時間があるから、遊びに行こうと車に乗る。
助手席で瑠璃がガイドブックを広げた。
付箋が結構挟まれてるのが見える。

『今日は食べるのと買い物だよね』
「そう！ご当地もの！」

じゃあ行こうかと、エンジンをかけた。

・

次の日の朝。
朝ごはんのバイキングを終えると、しばらくゆっくりしてから、水着の上に洋服を着てホテルを出た。

昨日の夜は、ホテルの部屋に入った途端ベッドにダイブした。
すぐに大浴場に行ったけど、それだけで寝てしまった。
疲れてたんだよ、慣れない長距離運転で。

それを思えば、今日は車を全く運転しない。
ただ海に行くのだが。

海につくと、混雑とは行かないものの結構な人数が目に入った。
目につくのは家族連れや友達同士とか。カップルもいる。

『人結構いるね』
「ホントだ。あっついもんね、今日も」

瑠璃が顔をしかめて空を仰ぐ。

たしかに暑い。ジリジリ肌が熱くなってくる。

『海入りたい･･･』
「お？珍しい。入ろ入ろ」

荷物はコインロッカーにしまい、最小限の現金を防水ポーチに入れて、浮き輪も忘れず持って行く。
出来るだけ浅瀬で遊ぼう。
この暑い中、入らないほうが酷だ。

『「気持ちいい〜」』

ゆっくり足元から水に慣らして、ゆっくり浸かると、瑠璃と同時に声が出る。
思わず2人見合って笑った。

しばらく水を掛け合ったり、浮き輪を瑠璃が押して泳いでくれたりしながら遊んでると、砂浜で団体さんがビーチボールを始めた。

「わ、上手い」
『確かに。･･･って、あれ？昨日車に乗せた子じゃない？』

どれ？と軽く眉を寄せる瑠璃に、指をさして教える。
明らかにサッカー部だ。

「本当だ〜！じゃあ百もいるんだ」

瑠璃が言う前に、すでに探してる私。

『あ』

見つけた。
砂浜の上でダッシュしてる。

『合宿の一貫かな。遊びに来たのかな』
「どうだろ？監督もマネージャーもいるけど遊んでるって感じじゃないから、合宿の一貫な気もするね」
『ああ、確かに』

監督もマネージャーも水着だけど、笛を咥えているように見える。

何回か数人でダッシュの後に、ビーチボール組とダッシュ組が交代していた。

浮き輪でプカプカ浮きながらサッカー部の方を見てると、次第に波に揺られて砂浜が遠ざかって焦る。
瑠璃がその度に浅瀬の方に押してくれて、しばらくサッカー部の練習を見ていた。