笑顔のキミが好き【if･･････】

4　〜大和side〜 ページ29

偶然Aと再会してすぐ、Aが１人暮らしをする事を聞いた。

元々小鳥遊家には大学卒業までの約束だったらしく、１人暮らしになるなら、Aがいる限り家に行きやすくなる。
･･･いればな。いないの多そう。

あいつに忙しくないだろうことを期待するのは自分が保たない事を、痛いほど分かっている。

【･･･てか、どこに住むんだ？場所は秘密って･･･手伝えばバレるじゃねぇか･･･】

荷物は万理さんに送ってもらうらしい。
夕方に片付けの手伝いをしにいく予定だ。
･･･再会した時といい、万理さんと、やけに仲がいいな。
ちょっとムッとする。

･･････嫉妬？

Aが好きだった人と千さん以外の男に嫉妬するなんて初めてだ。
しかも、千さん以外との男と仲良くしてるのなんて見た事がなかった。

･･･俺、Aの交友関係、あんまり知らねえな。
怖くて知ろうとしなかっただけかも知れない。
会えないから、余計な不安材料は考えないようにしてきた。

引っ越し当日。
ラビチャで貰った地図を頼りに、Aの新居へ行く。
住宅街。

【うわ、でかい建物･･･何かの施設か？ええと･･･ここを曲がって･･････】

「･･････でっか。」

高層マンション。
思わず青ざめた。

高そう･･･
え？こんなに稼いでんの？
俺、男として終わってない？
Aちゃん、もっと普通の所住もうよ。

そう思いながらもエントランスで部屋番号とインターホンを鳴らす。
まぁオートロックの方が安心か。

Aの部屋は11階。
意外と下の方だ。

着いて鳴らすと、入ってと言う声に玄関を開けた。

あ、俺、Aの部屋初めてじゃん。

入って急に緊張した。
まだなにものにも染まっていない部屋の匂い。

【何でこんなに躊躇してんだ。】

『ヤマさん？入らないの？』

不思議そうな顔でAが玄関に来た。

ホッとする。

「あぁ、入る。お邪魔します。」

『どうぞ〜』

廊下を歩いてリビングに入ると、カーテンもついていない大きな窓があった。

「カーテンは？」

『踏み台買ってないから届かなくて･･･ヤマさん付けてくれる？』

いいよ、と言ってカーテンを受け取った。
さっきの大きい施設みたいなのが見下ろすと見えるので、意外と見晴らしは悪くない。

「あの施設みたいなのなかったら、ここ見晴らし悪いかもな。何の施設？」

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