2 〜大和side〜 ページ27
成人して結構経つのに、それ以上進まないのも限界がある。
【いや、さすがに急にそこまでするのは無理があるだろうけど・・・】
電話でこういう会話をすると、色々我慢が必要なことを覚えて、なるべくしなくなった。
そんな時だ。
「君、芸能界に興味はないかい?」
街中で声をかけられた。
目が細くて、穏和そうな中年男性だ。
【は?何言ってんの、こいつ・・・】
「僕は小鳥遊事務所の社長をしている、小鳥遊音晴といいます。是非うちの事務所と契約してみないかい?」
そう言って名刺を差し出して来たので、受け取った。
「えと・・・何するんですか。タレント?」
「アイドルグループを作ろうと思っている。一員にならないかい?良ければ名前を聞きたいんだが。」
「二階堂大和です。・・・考えさせて下さい。」
「そうか。ありがとう。いい返事を待っているよ。」
小鳥遊という男性は、そう言って去っていった。
名刺を見る。
聞いたことねぇ事務所。
A、知ってっかな?
ラビチャでAに、この事を話す。
あとは返事を待つ。
名刺とスマホをポケットに入れて、また歩いた。
歌って踊るアイドルグループなんて、俺には似合わない。
ただ、あいつへのこじらせたドロドロした感情があることと、Aが前に、芸能界においでと言った事が脳裏をよぎる。
早く二階堂家を出たくて貯めたバイト代も結構ある。
一人暮らしもいい。
【あいつへの復讐を考えたら、Aに迷惑が掛からないか?】
二の足を踏んだ理由だ。
スマホが鳴って見ると、Aからの着信。
この時間に、しかも電話なんて珍しい。
「よ。珍しいな、どうした?」
・・・『知ってるよ、小鳥遊事務所!良いところだよ。絶対に契約しておいでよ!』
やけにテンションが高い。
まぁ、芸能界入れって言ってた位だしな。
「でもさ、俺、こんな境遇だし、Aに迷惑かけたくねぇよ・・・」
・・・『大丈夫。迷惑かからないよ。きっと千も言う。絶対守るって。』
「あぁそっか。Aの事まだ好きだもんな、千さん。Aが千さんに守られるのはシャクに障るけど、迷惑かからないならいいか。」
・・・『違う。千が守るのは私じゃない。ヤマさんだよ。私も守る。おいでよ、芸能界。』
どうすればいいのか分からなくて黙る。
電話の向こうで「ヤスさん、スタンバイよろしくお願いします。」という声が聞こえた。
Re:valeといるのか。
・・・ん?なんで?
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ミズ ミズ(プロフ) - あいすさん» ありがとうございます!ifがもう大和ルートと化しております(笑)楽しく頑張ります! (2019年3月20日 21時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
あいす(プロフ) - 更新お疲れ様です!百ルート派なんですけど、大和さんもめっちゃいいなって思いました……。いつも楽しみにしてます!頑張って下さいー! (2019年3月20日 21時) (レス) id: 4ad8dbbe47 (このIDを非表示/違反報告)
ミズ ミズ(プロフ) - chattyさん» ありがとうございます!本編の関係上、大和視点が多くなるとは思いますが、よろしくお願いします♪ (2019年3月15日 15時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
chatty(プロフ) - 早速読ませて頂きました!百、千ルートも好きなんですが大和ルートが1番好きです!楽しみにしてます^ - ^ (2019年3月15日 15時) (レス) id: 01aa2e4b44 (このIDを非表示/違反報告)
ミズ ミズ(プロフ) - chattyさん» ありがとうございます!分かります(汗)本編の百ルートの時間軸に大体ではありますが、合わせて更新しています。まだ構想中で未完成なので、もう少し待って頂けると助かります! (2019年3月13日 12時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:miz | 作成日時:2019年2月26日 7時