【アイナナ】 vale 2 (ページ39)

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88　(瑠璃の悩み) ページ39

唸っていても答えは出ない。

『瑠璃、明日家にいる？』
「多分･･･宿題やんなきゃって言ってたからいるかも」
『じゃあ明日午前中家に行く。瑠璃に言っておいてくれる？』
「わかった！ありがとう！」

パアッと百瀬くんが笑顔になる。
役に立てるか話を聞けるかわからないけどと言うと、良いよ良いよ！と笑顔を返してくれる百瀬くん。
いつもの中間地点で手を振った。

次の日、ほぼ突然行ったのと変わらないのにも関わらず、瑠璃は笑顔で迎え入れてくれた。
瑠璃んちに来るのって、すごい久しぶり。
百瀬くんに最後の家庭教師した時ぶりじゃないかな。百瀬くんはサッカーの部活でいないらしいけど。

「久しぶり〜！元気そうだね！」
『突然でごめんね。昨日百瀬くんに偶然会ったら、瑠璃にも会いたくなっちゃって』
「いいよいいよ！宿題でわかんないとこあったんだ〜」
『じゃあ教えるよ！』

瑠璃の部屋で一通り教えて、おばさんにお昼ごはん食べていってと言われる。
家に電話をかけさしてもらった。

「Aちゃん久々にうちに来てくれて嬉しいわ〜。あまり遊ばなくなったわよね、2人共」
「うん。学校から一緒に帰ることもなくなったしね」
「瑠璃が彼氏ばっかりだからでしょ？そのうちAちゃんに愛想つかされちゃうわよ」
「え･･･」
『大丈夫だよ』

瑠璃が一瞬不安そうな顔を私に向ける。
どう考えてもおばさんの冗談だろうにな、と苦笑した。

休み時間とかは一緒にいるし、好きな人といたいという気持ちもわかるから、そういう事では愛想はつかさないと思う。寂しくないわけじゃないけど。

そう思いながら出されたお昼を食べて手を合わす。
また瑠璃の部屋に行った。

今日会ってから瑠璃におかしい所は見当たらない。
この短時間で見つけるのは難しいか。

「A、本当にありがと！夏休みの宿題終わりそう」
『役に立てて良かった。彼氏と一緒に宿題したりしなかったの？』

去年に比べて進み具合が遅い。
去年はほとんど一緒に宿題や勉強してたから早かったのかもしれないけど。

何となく聞いたのに、瑠璃が眉を下げて困ったように笑った。

「図書館でやったことあるよ。でもいつまでもいられないし静かにしなきゃいけないからあまり向いてないねって話した」
『ああ、話したいこといっぱい出来るよね。好きな人なら尚更』

瑠璃はよく話す方だから、話がつきなさそうだ。

同意するように私がうんうん頷くと、瑠璃がニヤッとしたように見えた。