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「なんかあったら、生放送中でも何でもいいから連絡して」

そう言い残して百が仕事へ行く。

生放送中だとしても、仕事中に連絡したら妨げになっちゃうじゃん。
なんかあったら、おかりんに連絡にしよう。仕事終わるまで言わないでって言って。
ていうか何かって。

今すぐ産まれるわけでもないのに。

と思いつつもう36週に入ってるわけだから、入院の準備はしてあるし、タクシーも妊娠中だからとすぐ来れるように登録してあるし。
百は出来れば立ち会いたいと言ったから、タイミングが合えば立ち会えるように手続きもしたし。

うう、しんどい。
寝よう。

お腹が大きくて仰向けになるとしんどくて寝れないから、横になる。

大丈夫。すぐ良くなるよ。
そうお腹の子に心で語りかけながらお腹を擦る。
少しすると眠くなって目を閉じる時、ポコンとお腹の中で赤ちゃんが蹴ったような感覚がした。


なんか苦しくなったような気がしてハッとして目が覚める。
ゆっくり体を起こして、トイレへ。

多分赤ちゃんで膀胱が圧迫されてると思うのよね。近いの。

頭が重いもののリビングに戻って一杯の水を飲む。
そろそろ番組始まるかもしれないと思って、テレビをつけてから布団を1枚持ってくる。
ソファベッドに横になって、テレビの音を聴きながら目を閉じた。

『駄目だ。トイレ』

おかしいな。こんなに近くなかったはずだけど。
ていうか、ちょっと感じが違うっていうか。

ふっと脳裏に“破水”という文字が過る。

どうなんだろう?
初産だしわかんない。

相談できる人・・・と思案して、瑠璃さんに電話することにした。
もう1人目産んでらっしゃるし。

・・・「ええ?どうだろう?でも気になるなら病院に連絡した方がいいかも。近くに頼れる人いる?いるなら付き添ってもらったら?」

瑠璃さんはすぐに来れないらしい。

『ありがとうございます。そうしてみます』

病院に電話。
タクシーで来てほしいと言われて病院へ向かった。

なんとかおかりんにラビチャ。
病院につく頃に返信があった。

おかりん小鳥遊さんがそちらへ向かうそうです。百くんには番組終了後に伝えますね

了解のスタンプを送って病院の裏口につくと、車椅子に乗せられて運ばれる。
用意された病室で診察を終えて点滴をされていると、つむちゃんが来てくれた。

「従姉妹の方ですか?」
「はい」

看護師さんとつむちゃんが話をしている。
ボーッとした頭でそれを眺めて、思わず溜息をついた。

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作者名:miz | 作成日時:2021年11月8日 12時

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