181 (電撃発表) ページ31
〜NOside〜
都内某駅前。
日も沈んで所々にイルミネーションも輝き出す。
そんな中、1人の男性が白い息を吐きながら大声を出していた。
「号外号外！」
1枚だけの新聞を通り掛かる人に配っていく。
分厚かったそれがものの数分でなくなっている。
見出しは大きくこう書かれていた。
Re:vale百＆A 電撃結婚！！
・
〜Aside〜
テレビのあるチャンネルでは、速報のテロップが流れている。
時間も時間なだけにニュースはなく、大きく報道されるのは夜9時前からのニュース番組からだった。
「え！？マジで！？」
「うわ、ショック！ファンなのに！」
「仲良いもんね。むしろこうなってもおかしくない。モモちゃんかユキくんかの違いじゃない？」
「わ〜、おめでとうございます！」
「おめでとうございます！」
街中の人にマイクを向けていたリポーターの人が、お祝いの言葉が多いようです、とスタジオに返していた。
スタジオのコメンテーターやアナウンサー達が映る。
お祝いの言葉を笑みを浮かべてコメントする人たちを見て、千が困ったような顔で、ソファに座ってる百とキッチンにいた私を見た。
今は、役所に婚姻届を出してから百と買い物して、家に帰ってきてから千が来て一緒に食事をし終わって、片付けが終わったところだ。
「･･･忙しそうね･･･」
「ごめんユキ！すぐ！すぐ終わるから！！Aより先に始めたし！」
『百の方が量多いでしょ？』
さっきからずっとラビチャの着信が止まらないのだ。
全部お祝いメッセージ。
一つ一つにお礼を返して、なるべく長引かせないように返す。
私もソファに座って返そうという時に、千のスマホが震えた。
「･･･あ、僕にもお祝いのラビチャ来た･･･僕が結婚できたわけじゃないのに･･･」
「え？どれ？」
千が百にスマホを向けると、結婚おめでとうございますと送られてきているらしく、百がブハッと吹いた。
「誰のっていうのがないじゃん！面白いね！？」
「よし。じゃあ僕も、ありがとうございます、幸せにしますって送っちゃおう」
「幸せになります！」
『ややこしくなるから！』
ウキウキして楽しそうな百と千を、苦笑しながら止める。
楽しそうだけど、下手すれば相手が混乱する。
『伝えとく、ありがとう。でいいんだよ』
「冗談だよ冗談」
『千の冗談分かりにくいんだよ･･･』
「それを言うならモモだろ」
「えっそう！？」
ラビチャの返事を打ちながら百がよく喋る。
変わらず器用だ。
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作者名：miz | 作成日時：2021年11月8日 12時
