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『いや、私が原因なら聞いた方がいいじゃん』
「それよりAのアルバム見して!」

コップを静かに置いて、はい!と手を差し出す百。
有無を言わさぬような笑顔に、元々見せる気だったのに腑に落ちないまま、小学校卒業のアルバムを渡した。

ほどなくして私がいたクラスを見つける。

「あ、Aだ。ほんと可愛いよね!ユキの昔の写真はおかしくなりそうだったけど」
『言い方』

思わず苦笑する。

おかしくなりそうって。
情緒おかしくなるとは言ってたけど。

前に番組関係で、自分の昔の写真を紹介する時があった。
私がRe:valeの投票中だった頃だ。

以前おかりんから貰ったロケットペンダントを思い出す。

2つしかなかったし凛太郎は百と私にあげたがってたらしいけど、写真を持ち歩きたがってたのは千と百だったから私は最初辞退した。

千は百の写真を、百は私の写真を。

じゃあロケットペンダントもう1個買ってきて、私が千の写真を持ってれば一周回って丁度いいとか千が言い出したからケンカ勃発。
Aが持つならオレの写真でしょと百が怒って、千がのけものみたいになってるから、僕かわいそうと千が拗ね始めて。

結局、千は私と百の写真を。
百は私と岡崎兄弟の写真を。
私は百と千の写真をロケットに入れたんだっけ。

あれからそんなに経ってないのに懐かしい。

思いにふけってると、ロケで再会したイケメンどれ?って百に聞かれて、多分この人って指さして教えると、確かにイケメンの匂いがする・・・ってうぬぬって唸ってる。

千に話したことも百にも話すと、百が苦笑いした。

「小学校ってさ、Aが振られてばっかだったって前聞いたじゃんか」
『うん。まあちょっと優しくされただけで勘違いしてた頃もあったからね』
「だから嫉妬心もあってアルバム見てみたかったんだよね。でも・・・」
『でも?』
「オレがタイプって言ってくれたから。前にも聞いたし、Aも毎回オレがタイプって言ってくれたけど、信じてないんじゃなくてさ、確かめたくなっちゃうんだ」

百が照れたように笑う。

「めんどくさいっしょ?オレ」

にゃははと笑いながら後頭部をかく百に、笑顔を向けた。

『今更そんな位で、面倒くさいなんて思わないよ』
「何!?いつももっとめんどくさいの!?」
『私も面倒くさいでしょ?』
「それはない!・・・“も”って言った!」
『それは言葉の綾で・・・』

何が原因かはわからなかったけど、百がいつものように戻ってホッとして笑った。

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作者名:miz | 作成日時:2021年11月8日 12時

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