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2日後、夕方にお母さんから段ボール1箱が届いた。
大きくて重い。

卒業アルバムだけならこんなに必要ないでしょ、何入ってんの。と開ける。

『わー・・・懐かしい』

実家に置いてた私のものばかりだ。

小学校だけじゃなくて、幼稚園や高校の卒業アルバムや証書。
子供の頃からの写真。作品展などで書いたり作ったりした自分の作品。
箱の隙間に私が好きなお菓子やタグ付きのフェイスタオルがクッション材として入ってる。

引っ越しするから、基本このまま入れておこう。

ペラっと小学校の卒業アルバムを捲った。

覚えてない人がたくさん。
あ、でも名前だけや顔だけ覚えがある人がチラホラいる。

音楽教室の責任者の息子さん、どれだ??
2人位好きになったような人が見つかるも、息子さんの面影があるような人が見当たらない。

『あ、これかな?』

運動会の写真のページ。
どのクラスにも写ってなかった人がいる。

引っ越しでいなくなった人とか写ってたりするよね。

『ああ、思い出した』

何日後とかに引っ越しするっていうんで告白したんだっけ。

懐かしいような気まずい思い出のような気持ち以外何も思わないけど。

そういう事を説明すればいいのかな?と思いながら、付箋をページに貼ってアルバムを閉じる。
少し考えてから、百にラビチャした。

A卒業アルバムとか、お母さんが送ってくれたけどうちに来る?

百は、仕事後に行くところがあるからと、夜遅くなってから来た。



「おじゃましま〜す」
『はーい』

リビングから玄関を見ると、百が壁に片手をついて靴を脱いでいた。

ももりん飲む?って聞くと、飲むって答えが洗面所の方から返ってくる。
リビングに来た百を見て、目が仄かに赤いことに気づいた。

ソファ側のローテーブルに、ももりんが入ったコップと紅茶が入ったカップを置く。
百がソファに座ってバッグを置くと、隣に座って覗き込んだ。

「え?何?」

もしかして。
多分だけど。

『・・・泣いた?』
「えっ!?」

コップを取ろうとして一瞬固まる百を、見逃さなかった私。
でも百はすぐに、ももりんを一口飲む。

「いや、顔洗ったからじゃない?」

いつも来て早々洗わないじゃない。と思ったけど、言いたくないんだろうか。
言いたくないなら話してくれるまで待つのみだけど・・・

『私が原因?』
「違う違う!」
『ほらやっぱり泣いたんじゃない』
「ぎゃー!そういうとこズルいよ!?いつも!」

いつもって言われた・・・

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作者名:miz | 作成日時:2021年11月8日 12時

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