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朝、空元気に見える百に一旦、家まで送ってもらって準備してから一緒に事務所へ行く。
岡崎事務所に着くと、今日の仕事の確認をする。
百はやっぱり元気がなかった。
見た目は元気なんだけどな。
車の中では普通に今後の話してたし。
結婚報告の文章とか時間とか、住むとこの提案とか。
事務員さんと笑顔で話してる百を眺めるも、卒業アルバムを見せることと、私の思いは百から変わらないよって伝えること以外に解決法が思い当たらない。
「おはよう。モモ、まだ元気ないの」
背後から聞こえた声に振り返る。
千だ。
「おはようございます、千くん」
おかりんが書類を持って来る。
私と千の視線を辿って、百のところで視線を止めるおかりん。
「マリッジブルーでしょうか･･･」
「『えっ？』」
おかりんの言葉に千と同時におかりんを向く。
おかりんは驚いたように目を見開いてこっちを見た。
「違いますか？元気がないような･･･」
『まあカラ元気ではあるよね･･･』
「マリッジブルーって男性にも起こるって言うね。結婚後の不安や相手方の両親や親戚に不安だとか･･･」
千の視線がチラッとこっちを向く。
『結婚後の不安はともかく、うちの親や親戚との関係は良いよ？音晴おじさんだって認めてくれてるし』
「モモがマネ子ちゃんと親戚･･･」
「むしろ喜んで、って感じがしますよね」
3人で百を見ていると、千の横にスーツの人が立った。
「いつもは感じない事で不安になるのがマリッジブルーだったりするよ。1週間から1ヶ月以内で落ち着くことが多いらしいから、なんとかなるんじゃないか？」
「『凛太郎』」
「社長･･･」
一瞬にして千がジト目になった。
「モモは抱え込むことが多いから心配なんだよ」
「でも散々考えた結果、結婚することにしたんだろう？僕らはそれを仕事に影響を及ぼさないように精一杯フォローする。君たちが一生懸命仕事がしやすいようにね。モモはそれを分かってるから僕らには不安を口にしないと思うよ。口にするならーー」
凛太郎と目が合う。
「A、君しかいないだろう？」
つまり、さっさと私が原因を見つけて解決しろって事なのか。
「ですが、結婚後の世の反応を気にしてる場合もーー」
おかりんが心配そうに百を見る。
凛太郎もつられるように百に視線を移した。
「なるようにしかならない。それならそれで、12月になるまで注意しつつ見守るだけだ」
取り敢えず卒業アルバムが届いたら見せて、それから考えようと思った。
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作者名：miz | 作成日時：2021年11月8日 12時
