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心の奥が、温かいものに包まれたような感覚に陥る。
そんなの、私だって同じだ。
何故か衝動に突き動かされてRe:valeを探し回って見つけてメンバーになって。
学校よりも2人といる時が楽しかった。
大切で大事な、私の記憶だ。
だからといって直に言うには恥ずかしいよね。
すぐに自分がジト目になるのが分かる。
『･･･よく、恥ずかしげもなく青春なんて口にできるね』
「あはは、千も言いそうだな」
万の言葉に、私の言葉を言う千を思い浮かべる。
言いそう。
でも、万と似たような事も言いそう。
後で聞いてみよう。
『書いてくれてありがとう。あと、もし書き間違えた時はもう1回お願いしに来るね』
「わかった」
お礼を言って、そこからタクシーで百のマンションに来た。
百が印鑑を押して、出来た！と笑顔で掲げる。
「じゃあ次は僕か。印鑑持ってきてないけど、明日事務所に持っていけばいいだろ」
『うん。お願いします』
百に、貸してと手を差し出す千。
そのまま千に渡すかと思いきや、百はジッと千を心配そうな表情で見た。
「･･･何･･･」
「ユキ、本当に書いてもらっていいの？」
百が私の方に顔を向けた。
「Aは？オレが喜ぶことをめちゃくちゃ考えてくれたの分かってるよ？バンさんは違うけどさ、ユキに残酷なことしてるって思わなかった？」
ハッとする。
もうだいぶ前から普通すぎて、過去になったんだと思ってた。
千の私への気持ち。
でも過去になったとか決めるのは私じゃない。千だ。
ゆっくり千に視線を移す。
千も私にとって大事な人なのに。
本気の思いを断った時も、百と付き合う事になった時も、私の前世の記憶の話をした時も。
私は、何回、千を傷つけるんだろう。
『･･･っごめ･･･』
「謝られる理由なんてない」
頭を下げた私の頭上から千のキッパリとした声がした。
顔をあげると、千が怒ったように百と私を見る。
「今さらだろ。一時期は2人共僕の目の前じゃいちゃつくこともなかったけど、今じゃモモもAも遠慮ない。とっくのとうに僕にとっては過去だよ。万だって同じなんだから気にするなよ」
「･･･へ？･･･え･･･？」
百がキョトンとした後青ざめる。
過去って所で拍子抜けして千が怒ってるって思ったのかな。
『じゃあ･･･』
「モモが僕に書いてほしくないなら書かない。けど僕がどうしたいのか選べるなら･･･」
「『選べるなら？』」
千がフッと微笑む。
百の手からそっと婚姻届を取り上げた。
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作者名：miz | 作成日時：2021年11月8日 12時
