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148 〜百side〜 ページ48

「モモとAは、AがRe:valeとして浸透させるまでってお互いに決めて理解してるけど、本心じゃないでしょ」

心臓がドクンと大きく鳴ったような気がした。

「そ・・・、・・・いや!そろそろそういう話しようかなって思ってたとこだし・・・」
「あ、そうなの?ごめん」
「いや・・・でも・・・」

ギュッと割り箸を持つ手に力が入る。
Aと喧嘩して説得した日を思い出す。

「ユキの言う通りだよ。オレ、怖かったんだ・・・Aが心無い言葉で傷ついたり、バンさんとユキとやってた頃みたいになんかされたりすんの。もちろん、守るけど!そんでも出来るだけ被害が少ないほうがいいし」

守りたい。それにはオレが強くなるだけじゃ駄目だから。
ユキが思い出すように天井を仰ぐ。

「ああ、そんなこと言ってたっけ・・・僕んちで仲直りした時?」

オレが力なく笑って頷くと、ユキがキョトンとした顔をした。

「そんなの時期がいつだろうが同じだと思うけど」
「え」
「モモは用意周到だから手順を踏むんだろうけど、既成事実さえあれば後は何とかなるんじゃない?」
「既・・・」

あんぐりと口が開く。

さすがユキ。大胆な考え。バンさんやAが聞いてれば、間違いなく注意される案件。

「さすがユキだね!?オレには考えつかないよ!」
「そう?でもいい考えだろ」
「授かり婚はオレもだけど、Aも悪く言われそうでやだけど!」
「え?妊娠させろって言ってないけど・・・」
「え?」
「え?」

お互いに目をぱちくり言わせてポカンとする。
すぐにユキの言った意味を勘違いしてた自分に気づいて、恥ずかしくなった。

「既成事実っつったら妊娠かと思うじゃんか!」
「結婚の既成事実だよ。でもそろそろ話すんでしょ。A相手なら身を引くと思われてる事がわかったから」

口角の上がったユキに、力を込めて頷く。

「AがRe:valeになって1年まで後3ヶ月あるし、それを目処にって思ってる。ちょっとずつ式とか諸々話し始めるつもり」

めっちゃ緊張するけど。

ユキは、頑張ってと言って、目を細めて嬉しそうに微笑んだ。

2日後、新曲が出来たことと、Aとオレで1曲作るっていう話が来たのには、めっちゃ驚いたしめちゃくちゃ嬉しかった。

「僕の方は用意出来た。あとは年内にモモとAがどれだけ進められるかだよ」

その意味を今度は正しく理解して、おかりんにAのスケジュール調整を頼んだ。
もちろん、今後の予定も少し話しておいた。

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作者名:miz | 作成日時:2021年9月6日 8時

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