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助監督はOKと言われるつもりで動いてくれている。
もちろん断る理由もない。

それぞれの現地マネージャーを見ると、岡崎事務所のマネージャーもツクモのマネージャーも頷いてくれた。

『わかりました。エレクトーンとUSBと場所があるならやります』
「俺も構わないっすよ」
「どうやるんだ?想像できないんだが」

トウマが私の言葉に頷くも、トラが困惑した表情を浮かべた。
みっちゃんが笑みを浮かべてトラを見上げる。

「難しいことじゃないぜ。いつもとちょっと違うだろうけどさ、歌って踊ってあとはカメラマンを信じて任せりゃ問題ねえって」
「電子パネルをスタジオに設置するんじゃないでしょうか。過去に何度かそういうのを見てるので、視聴者にも受け入れられるから心配ないですよ。頑張ってください」

そうちゃんも優しい笑顔で説明すると、トラの表情から不安が安らいだように見えた。

「わかった。俺は俺がやることをやって、あとは任せる。悠も巳波も受けると言ったんだろうしな」

百と千は当然のように受けるって言ったんだろうなということも安易に想像できる。
助監督はお礼を言うと、すぐに来た道を引き返した。報告しに行くんだろう。

みっちゃんが頭の後ろで両手を組んだ。

「いいなー。中継でもオレもやりてぇなぁ」
「仕方ないですね。今日は陸くんと一織くんが他番組で生出演だとラビッターで呟いていましたし。後で一緒に自主練しませんか」

みっちゃんが嬉しそうに頷く。

それから急遽、午後の撮影は早めに始まって早めに終わることが決まった。



トウマとトラと私は、いつもより早めの夕食を取るとすぐに指定されたホテルの宴会場に行った。

宴会場は広い部屋なので、部屋の半分にテーブルと椅子を寄せてパーテーションで隠している。
部屋のもう半分では、夕方頃着く予定だったスタッフが道路の渋滞で遅れたため、映画撮影スタッフも協力して機材の搬入と設置をしていた。

USBを受け取ると、スタッフが早口で言う。

「すみません。エレクトーンがつくのにもう少し時間がかかるみたいです。あと衣装持ってくるので着替えお願いします」
『はい』

エレクトーンが間に合えば問題ない。
Re:valeの出番は終盤だから、最悪練習できない可能性も考えとかないといけないけど。

衣装を受け取ってトウマとトラと一緒にコテージに戻った。

「Aちゃんキラキラしてキレイ!」

コテージの自室を出ると、ナオコさんと一緒にいた女の子が私の衣装に触れた。

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作者名:miz | 作成日時:2021年9月6日 8時

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