検索窓
今日:2 hit、昨日:10 hit、合計:15,133 hit

102 ページ2

自分の口元に指先を当てて、パッと百に向けて放つ。

「!!投げキッス・・・!!」

目をキラキラさせて満面の笑みになった百が、一瞬で照れ笑いした。

「そんなことされたら大人しく見送るしかないじゃんか!」
『是非そうして下さい』
「ああああ〜もう、ヤスのファンサで投げキッス見たことあるけど、Aだと破壊力あれ以上に半端ない・・・」

ヤスの?・・・ああ、ヤスのラストライブか。そんなこともあったなぁ・・・

嬉しそうにニヤケてる百に、今度こそ行ってきますと玄関のドアノブに手をかけた。

「帰ってきたら、ちゃんと口にしてもらうからね!これで許したげる!行ってらっしゃい!」

嬉しそうに言う百。
許したげるって、充分満足してそうな顔だと思うけど?

と思うものの、さすがに時間がヤバくなってきて慌てて手を振って、マンションを出た。

大通りでタクシーを拾って集合場所へ向かう。

というかさっき百、帰ってきたら口にしてもらうって言ってなかった?
私からするって恥ずかしくて出来ないから、投げる方にしたのに。
出来るのには、心の準備というものと勢いがですね・・・!!

・・・心の準備しとけってことか。
決めたら中々譲らないからなあ・・・

タクシーの中で、帰ってきた時を考えて困っているうちに集合場所に着く。
既にスタッフや共演者の人たちが集まっていた。

挨拶をしていくと、貸し切りバスを案内してくれるスタッフについていく。
貸し切りバスの運転手さんが荷物を預かってくれた。

「お、A。おはよ。ここ座るか?」
「Aさん、おはようございます」
『みっちゃんとそうちゃん、おはよう。座る座る』

座席は自由。
窓際に座るそうちゃんと、通路側に座るみっちゃん。通路を挟んだ反対側の空いてる席を勧めてくれた。

席に座ってからRe:valeのグループラビチャに、集合場所に着いた事と、間に合った事を打って送信。
スマホに陰がかかって、通路で人が止まった事に気づいて顔を上げた。

「おはよう」
「トウマ、おはよう。御堂さんもおはようございます。」

トウマとトラだ。
こっちは見えてないらしい。

4人がそれぞれ挨拶を終えると、2人の後ろがつかえ始めた。

『近くの空いてるとこ座ったら?』

トウマとトラは驚いたらしく、反射的にこっちを見た目はまん丸だった。
挨拶を交わしてから私の後ろにトウマが座る。

「トラ、おまえも座れよ」
「いや、俺は違う所に座る」

トラがキョロッと周りを見渡した。

103→←101 (長距離恋愛?)



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (21 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
86人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

この作品にコメントを書くにはログインが必要です   ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:miz | 作成日時:2021年9月6日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。