89 ページ39
一瞬で表情に出たから取り繕うのを諦めたのか、大きく息を吐いてる。
「何が悲しくて二回も男にバラをあげなきゃならないんだ」
開き直った。
というより・・・本心だよね、それ。
ヤマさんが何度も頷いてる。
「ほんとにそれな」
「決まった時も言ってたもんな、おまえら・・・ま、喜んでくれりゃいいって最後は言ってたけどさ」
呆れたようにトラとヤマさんを見るみっちゃん。
「マネージャーとかにお願いしたのに断られたんだしさ。ならリーダーとしてやるっきゃないだろ」
「俺はリーダーじゃない」
「トラ・・・」
トウマが苦笑いして冷や汗かいてる。
でもトラも嫌そうな雰囲気じゃないのは、祝う気持ちが大きかったからかなと嬉しくなる。
『つむちゃんたちは何で断ったの?』
つむちゃんがあげたなら、がっくんなら物凄い喜びそうなのに。
つむちゃんは少し慌てたように両手を広げて振った。
「そんな!折角みなさんでお祝いの企画をされていたのに、マネージャーである私が率先して渡すのはおかしいし・・・お祝いしたい気持ちだけ、伝わればいいなあとは思っていますが・・・」
「俺もそんな所かな。手伝える事は手伝うって言ったけどね」
つむちゃんと万の言葉に、カオルちゃんも宇都木さんも頷く。
おじさんも八乙女パパも同じように思ってるらしく、眼差しは暖かかった。
おじさんが八乙女パパに向かって微笑む。
「八乙女くんも、場所の提供ありがとう」
「・・・ふん、ここに籍がないからと言って、TRIGGERを育てたのは八乙女事務所だからな。場所くらい提供する」
相変わらずの仏頂面。
でも誰もが、その奥にある温かい気持ちを知っている。
「こうやって見るとツンデレ属性多いよね〜ここ」
百が全員を見回した。
「それって親父のこと言ってるんすか?」
「誰がツンデレだ!バカにしおって!」
明らかに怒ってる八乙女パパ。
だけど誰もがスルー。かわいそう。
「そうね。大和くんとか?」
「なんで俺なんですか」
千がヤマさんを見ると、ヤマさんが微妙そうな顔をする。
りっくんが笑顔で口を開いた。
「一織も!」
「勝手にツンデレ属性にしないでください」
「ハルも近いよな。トラも」
トウマもニヤニヤ。
ツンデレ属性暴露大会??
「オレは違う!」
「俺はツンはないぞ」
百の視線が私に向く。
「あとはAも」
『巻き込まないで』
言われると思った。
「天もそうだな」
「違う」
楽の言葉に無表情で即答する天は、面白かった。
81人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:miz | 作成日時:2021年7月3日 9時