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そういえばここの場所を提供してくれただろう八乙女パパにもお礼をいうべきなんじゃないの？っていうかトウマは続けてそう言おうとしたのかもしれないよねと首を傾げてると、目の前に花束が差し出された。
黄緑と濃いピンクと薄い黄色のバラがバランスよく花束になっている。
差し出してきた人はミナ。
天には薄いピンクのガーベラやバラが基調の花束を、りっくんが。
がっくんにはグレーのバラが基調の花束を、ヤマさんが。
龍ちゃんには深い青のバラが基調の花束を、トラが。
ていうか、グレーとか青のバラってあまり目にする機会ない。
綺麗だな。
ていうかバラって･･･
TRIGGERが全員、ありがとうと受け取っていく中、バラっていうことに戸惑いつつ百の方を見ると、蒼白の顔色でこっちを見ていた。
だよね、やっぱ。
バラって私たちの間では特別だし。
でもお祝いだし、気持ちは嬉しいし、みんなからだろうし。
ミナの手からそっと受け取ってお礼を言う。
ミナがクスッと笑って、私に少し顔を寄せた。
「安心して下さい。13本ですから」
13本って？
何か意味あったっけ？
･･･聞いたことあるような･･･。･･･ないような･･･？
キョトンとしてミナを見ると、微笑んでるミナの顔が離れる。
「それはバスフレグランスフラワーと言って、入浴剤としても使えるものなんですよ」
『へえ、そうなんだ･･･ありがとう！』
すぐ枯らしてしまう私にとっては有り難いし、余計に皆の気持ちがこもってる気がして嬉しい。
ブリザードフラワーとかソープフラワーも好きだけど、百から貰う以外のバラは、消え物が有り難い。
『大事に使うね』
香りも石鹸のような香り。
癒やされつつ匂いを嗅いでいると、ケーキが台に出されてきた。
大きい長方形の、色んなフルーツが乗ってる生クリームケーキ。真ん中に、4人の名前と、おめでとう！って言葉が書かれてる。
誕生日じゃないからロウソクはないけど。
『こう書かれてると私がTRIGGERになったって錯覚するね』
アハハと苦笑すると、天が微笑んで口元に指を当てる。
「ふふ、Aさんが常にバックで弾いてくれるなら願ってもない話だね」
「そうだな。そうすれば今よりもっとTRIGGERは高みへ行ける」
がっくんが当然だと言いたげな表情で言うと、万が、どっかで聞いたセリフだなぁって苦笑いしてる。
その横にいた千が、スッと前へ出た。
「ダメだよ。Aはあげないよ」
千も天と同じ様な微笑みで天に返してる。
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作者名：miz | 作成日時：2021年7月3日 9時
