笑顔のキミが好き【if･･･九条天】 5 （完結） (ページ33)

今日:27 hit、昨日:3 hit、合計:31,454 hit

231 ページ33

「当然どちらも。それにこれは君のためも思って言っているんだ。わかるね？」

九条は淡々としてる。
私も淡々と返した。

『･･･バレれば憎しみを買うのは私。それに18歳とは言えど未成年と付き合ってるから、それを利用されて私が誑かしたと書かれれば私は終わりですもんね。』

当然理解してる。
だからこそ、付き合う選択をした時から色々読み漁って、天と私に合ってる付き合い方を選んでるつもりだ。

それも、九条にバレない程度でと思ってたけど。

･･･せめて、九条の心がゼロから解き放たれる時までは。

「そうだよ。未成年に手を出した大人というイメージがつく。恋愛感情を否定するつもりはない。けれど伝える相手はファンだけにしなさい。」
『ファンへの気持ちと、恋愛感情は別物です。･･･大好きだけど、愛に愛を返してるけど、こちらからは追いかけない。だけど、ファンは追いかけてくれるから、プライベート以外では全部捧げる位の気持ちで向き合う。･･･そういうことをちゃんと分かってるファンもたくさんいます。』
「「･･･A･･･」」

真っ直ぐ九条を見据えると、百と千が呟くように私の名前を口にする。
九条は眉間にしわを寄せて、悲しそうでいて悔しそうな顔をした。

「･･･君も天と同じ事を言うのか。」

その言葉に、心に勇気が灯る。
天と同じことを言うって事は、同じ気持ちって事だから。

それが嬉しい。

『･･･私はずっと昔から、家族以外に愛されることが少なかった。千と万と一緒にいるようになって、百とも一緒にいるようになって、周りから嫉妬されてばかりだった。･･････でも。一緒にいなきゃ良かったなんて後悔したことはないです。天の事も同じ。だから天と一緒にいる事を選びますよ。あと･･･3月になっても九条さんの気持ちが変わらなかったら、また話をします。それでも駄目ならまた･･･』
「僕は認めない。」
『良いですよ。話によれば、天も遅い反抗期が来たみたいなので、一緒に迎え撃ちます。･･･生半可な気持ちで付き合っているわけじゃないので。･･･ただ･･･』

ただ･･･
未来を思えば、もしかしたら今のままじゃない方が良いのかも知れない。

元々は私が存在することのなかった世界。
私がいるだけで未来は変わる。

「ただ？」

『･･･いえ。九条さんも私もお互いによく考える。そういう事で納得してくれませんか。』

この人に記憶云々言うつもりはない。

九条の口が開いた時、千が先に声を出した。