226 〜天side〜 ページ28
ボクと同じように動画を見終わった楽と龍が話す。
「AちゃんがRe:valeかー。百さんと千さんは、Aちゃんでいるのがいいと思ったんだね。」
「元々Aだったんだし、本来の姿で出来る方がいいに決まってる。賛成が大多数だといいな。」
２人が賛成を押すのを見た。
龍「天は？」
「そりゃあ距離おいてるとはいえ彼氏なんだ。応援するに決まってるだろ？なあ？」
ボクは、2人の前で“反対”ボタンを押した。
「おまえ･･･何考えてんだよ！彼氏だろうが！」
「彼氏だよ。」
胸ぐらを掴んできた楽に、きっぱり返す。
「だけど、ボクはボクだ。ヤスロスになってるファンの子たちがいることも事実。どんな理由があろうと、自分を思ってくれるファンを悲しみに縛り付けちゃいけない。恋愛しようと秘密があろうと、犯罪に手を染めずに活動していれば、ファンの子たちを笑顔にすることは出来るんだ。その意見は譲れない。」
「･･･っ」
楽が悔しそうに、ボクの胸ぐらから手を離した。
パジャマのシワを直しながら口を開く。
「でもAさんがRe:valeになってほしくないわけじゃない。Re:valeの3人目のイスが常駐してるなら、そこに座るのはAさん以外考えられない。ヤスさんにしてもAさんにしてもね。それに･･･」
龍「？それに？」
「･･･これぐらいでダメになるようじゃ、この先務まらないでしょう？」
賛成が大多数じゃないと活動しないということは、それだけの覚悟があるってこと。
ヤスさんファンを、Aさんファンに替えられるなら、笑顔に変えられるなら、それで納得してあげる。
「パソコン分の票は、キミたちの好きにして良いよ。おやすみ。」
そう言って、自室に戻った。
「･･･ったく。めんどくさいな。賛成にしたきゃ賛成にすればいいのに。」
「理解はするけど、気持ちが追いついていかないんだろうな。あとは天の完璧精神がそうさせるのかもね。」
リビングに残った楽と龍は、笑みを浮かべながらそう言った。
・
新年会を、小鳥遊事務所をお借りしてする事になった。
というか、今、終わった。
「Aさん。ちょっといい？」
片付けも終わって、帰る準備を各々する。
会えるのはわかってた。
陸も言ってたし。
百さんも、何なら“オレも時間作れるよ！”まで言ってくれたし。
『天。久しぶり･･･』
そろっと振り返るAさん。
ボクはニコッと笑って口を開いた。
「休みの日程、まだ送られてきてないんだけど？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 237人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：miz | 作成日時：2020年12月22日 9時
