225 〜天side〜 ページ27
帰ってきて仕事の話をして、いつものようにご飯作って食べて、お風呂入って歯を磨いて。
全部終えてからテレビの前のソファに座った。
「あ、もう始まるね。俺、お風呂後にしようかな。」
龍の言葉に頷くと、楽も部屋から出てくる。
NEXT Re:valeを観るためだ。
龍がノートパソコンをこたつの上に置く。
表示されているのはRe:valeのサイト。
カウントダウンの数字が、全て0をさした瞬間、テレビでNEXT Re:valeが始まった。
いつもの百さんと千さんの漫才。
それを耳で聞きながら、パソコンに表示されている文字を見て目を見張った。
「･･･ねぇ。」
「何だ？テレビ観ないのか？」
《今日のゲストは、人気上昇中！オレたちと同じ事務所で同期で女優さんの、Aで･･･さんです！》《こんばんは！お願いします。》
思わず顔を上げてテレビの方に向いた。
「楽。録画。」
楽が嬉しそうに口角をあげて録画ボタンを押してくれる。
その笑みだけ余計。
「Aちゃん、ドラマとか映画、舞台以外出なかったよね？ヤスさんとしては基本女優業とNEXTRe:vale以外のバラエティしなかったけど。」
「ヤスさんでいる必要はなくなったから、解禁ってことでしょ。」
チラッとサイトに目をやる。
“Q.あなたは、“A”がRe:valeのメンバーになることに賛成？反対？”
更に、こちらを視聴して決定してくださいという文字とRabbiTubeへのリンク。
の下に、賛成、どちらでも良い、反対の文字。
“自分の意見で票を入れてくれることを願います”
１人一票にはならないだろうな。
ネットに繋げられて、個人がそれぞれ所有してる媒体数分、票が集まる。
良くも悪くも。
テレビでは最後に“NEXTRe:vale出張版のRabbiTube観てね”しか言わない。
「そういやカウントダウンの方はどうなったんだ？」
番組が終わると、楽がパソコンを覗き込んだ。
案の定、龍も楽も驚いていて、それを放ってRabbiTubeへのリンクをタップすると、千さんと百さんとAさんの普段のやりとりが流れていた。
ただの仲のいいアピールじゃない。
ケンカしてる所もあるし、真面目に仕事してる所も撮影してる。
最後にはトドメに、ヤスさんがAさんを推薦してるような画像。
賛成が大多数を占めた時のみ、Re:valeとしての活動を約束します、というコメント。
“引退理由は、僕とモモのわがまま”
そう。
そういうこと。
自分のスマホを出して、Re:valeのサイトを表示させた。
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作者名：miz | 作成日時：2020年12月22日 9時
