218 （彼女の理由） 〜天side〜 ページ20
「何考えてるのか全然わからない。ラビチャも返事はくれるけど･･･まるで片思いに戻ったみたい。会って話せば何を考えてるか位わかるだろうけど、スケジュールを教えてくれないから会えないし。」
口に出来るようになったのは、自分がするべき事が見えているからだ。
Aさんと会って話す。
それだけ。
でも“それだけ”が、難しい。
ボクらにテレビ局の仕事がないから。
Re:valeと一緒の仕事もないから。
Aさんが会ってくれるかもわからないから。
「そこにどんな理由があるにせよ、ボクを男として好きでいてくれるなら良いかなとも思うけど、やっぱり嫌なんだよね。」
そう言いながら、楽や龍、姉鷺さんがいる方に視線をやると、ギョッとした。
「･･･龍･･･姉鷺さん･･･」
２人だけ少し涙ぐんでる。
楽は感動してるような、驚いてるような顔。目を見開いてるのに微妙に口角は上がってる。
「俺、百さんに聞いてみるよ。スケジュール。」
「いや、押し掛けるのはちょっと･･･」
「何言ってんだ。Aが勝手に距離置こうっつったんだろ。理由聞かなきゃ納得できねえだろうが。」
「そうよ。休みがわかれば調整出来るわ。インディーズだもの、簡単よ。」
ふふ、心強い。
やっぱり好きだな。TRIGGER。
頬が緩む。
「じゃあお願いしようかな。ありがとう。」
そう言って微笑んだ。
・
百やっほー!(*･ω･ﾉ龍から聞いたよ!Aね、しばらく休みないんだよ〜(´д`ユキもないんだよ〜｡ﾟ(ﾟ´Д`ﾟ｡
千さんの休みは聞いてないんですけど。
天そうなんですね。わざわざボクにラビチャありがとうございます。
百あと最近、まとまって話す時間がなくってさ、天とそんなことになってんの知らなかった。変わらずラブラブだと思ってたからさ〜(´д`何か協力できることあったら何でも言って!
天良いですよ、お気持ちだけで。ありがとうございます。
百さんから、じゃあね！というスタンプが送られてくる。
既読だけつけて、ラビチャの画面を閉じた。
ライブをして
仕事をもぎ取って
楽と龍と笑い合って
一緒に高みを目指す
楽しいのに、どこかぽっかり穴が開いた気分。
それが何かはわかってる。
でも、どうにもならないまま、Aさんから距離を置こうと言われてから、１ヶ月が過ぎた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 237人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：miz | 作成日時：2020年12月22日 9時
