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「･･･A、お風呂入り。明日たっくん来るやろ。おばあちゃん、Aとスッパリ別れるよう言ったるし。昼過ぎやったら、あちらさんも
『おばあちゃん！』
おばあちゃんがスッと席を立つ。
それを言葉で引き止めた。
『何でなん？お父さんがどんな事したんか知らんけど、お母さんは最期までお父さんのこと悪く言うた事ない。おばあちゃんに何したって言うねん。』
「おばあちゃんがされたんちゃうよ。･･･ただ、Aのお母さんは許せても、おばあちゃんが許せへんだけやねん。」
おばあちゃんの表情が悲痛そうで、それ以上言葉は出なかった。
お父さんは何をしたんやろう。
おばあちゃんが私に言いたがらんって事は、私が傷つく何かかもしれんし、大人の事情ってのかも知れんけど。
三月お疲れ!おばあさん元気そうだったか?
【三月くん･･･】
そろそろ寝ようとする時に、三月くんからラビチャが来てホッとする。
Aお疲れ様。うん、元気元気!口うるさい位だよ･･･
三月あはは!Aのことすげー心配してんだろ?離れてたから余計さ。
Aうん。でも元カレの話は納得してもらえたけど、芸能人嫌いは難しいかも･･･(>o
いい人もいるんだよってわかってほしい。
そのうち、大好きな人だよって、三月くんのこと、おばあちゃんに教えたい。
ラビチャを送信して物思いに耽っているとスマホが揺れた。
三月くんだ。
『はい。』
･･･「A、今電話しても平気か？」
『！うん！大丈夫！』
三月くんの声を聞けただけで、ちょっと元気になる。
自然と頬が緩んだ。
･･･「あはは、元気ねぇなって思って電話したのに、めちゃくちゃ元気じゃねえか。」
『そんなの三月くんから電話来たからに決まってるやん。･･･ねえ、今、外？』
三月くんの声の向こうで、ザワザワしてる音がする。
･･･「･･･ほんっとおまえ、恥ずかしげもなく･･･まあオレも嬉しいけどよ。そう、外。」
『仕事？三月くんこそ電話してて大丈夫？』
･･･「平気平気！仕事じゃねえし。今帰り。タクシー捕まえるために大通りで待機中。」
「頑張って。暗いし、手を挙げても気づかれなかったりするから。」
･･･「一言余計だっつー･･･、･･･って、Aもそんな経験あんの？」
「あるある。多分子供と思われて素通りされたりとか。酷いよね。」
言ってから三月くんと一緒に笑った。
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作者名：miz | 作成日時：2020年11月19日 8時
