【アイナナ】この道の先に。4 (ページ4)

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百さんから送ってもらったとか言われたお菓子をいただいて、おばあちゃんがもう帰ってるだろうと判断した夕方。

おばさんに送られて実家に行くと、電気がついててホッとする。

「じゃあ、頑張ってね。」
『ありがとうございました。』

おばあちゃんに今は会わない方がいいからと、おばさんは帰って行った。

ピンポーンとチャイムを鳴らすと、今度は、はーいと言いながら、玄関に人影が来るのが見える。

『おばあちゃん、A。一日早いけど、来た。』

おばあちゃんは私を見るなり目を大きくして、私の名前を呼んだ。

「何なん。明日の予定やったやん。」
『うん。でも１日早く来た。』
「ほな連絡しいや。･･･ほら、寒いから入り。･･･おかえり。」

『･･･ただいま。』

何から話そうって思ってたのに。

3ヵ月も離れてたとは思えへん態度が、安心する。

マフラーを取って、小さいキャリーケースを置いて、靴を脱いだ。

・

いつものコタツに座る私とおばあちゃん。
各々の前に、グツグツしてる１人用の土鍋。

明日の夜ご飯の分は、明日の午前中に買いに行く予定やったみたいで、大したもん作れんよと言いながら、おばあちゃんが鍋うどんを作ってくれた。

ハフハフしながら一緒に夕飯。

まるで一緒に住んでた頃みたい。

「火傷せえへんようにね。」
『うん。･･･美味しい。』
「当然やわ。Aは料理の腕、あげたん？」
『どうやろ･･･あんま変わってないんちゃう？』

ちゅるんとうどんを口に入れる。
ダシがきいてて美味しい。

関東のうどんは濃いから、ちょっと合わへんし、ホッとする。
言葉も完全におばあちゃんと一緒になってまうしな。

「変わらへんのやったら味に飽きるやろ。作れる料理増やさな。１人暮らしやねんから節約もせなあかんやろ。」

おばあちゃんは、箸を止めることなく言った。

もうほんまに、ずっと口うるさいの変わらんなあ。
でも･･･たっくんともう一度暮らせって言わへんのか。

『１人暮らしやけど家賃安いねん。材料余らして捨てることになるよりは、買った方がいいで。』
「そんなんで貯金出来んの。」
『あるよ。今住んでる所やったら、切り崩せんでも生活できるようになったし。』
「変な所住んでるんやないの。」
『一応ちゃんとしたアパートやで。紹介してくれはった人も、めっちゃええ人やし。』
「でもあんた、見る目あらへんしなあ。」

おばあちゃんが言って、ため息をついた。
ムッとして、そのまま思ったことを口に出した。