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『私にとって、いいおばあちゃんやで。･･･最後には味方でいてくれてるやん。･･･ありがとう。』
そう口にすると、頬を涙が伝う。
泣きながら“お礼言われることしてへんわ”って笑うおばあちゃん。
涙を拭って、私も笑った。
次の日、夜に書いた、たっくんへの手紙と宿泊用の荷物を持って、実家を出る。
「じゃあ行く時電話するわ。」
『うん。待ってんね。』
郵便局で手紙を投函して息を吐いて、よし、と顔を上げた。
手紙には、別れる理由と、今までありがとうと･･･
たっくんに言い分があっても、もう付き合えないこと、言いたいことがあるなら、おばあちゃん宛てに手紙を投函してくれたら一通だけ受け入れる事を書いた。
店長と三月くんから預かった証拠は全部聴いたし目も通した。
想像以上に怖かった。
でも、終わりにするには、あまりにも一方的すぎたから。
店長には甘いって言われるだろうし、おばあちゃんにも甘いって言われたけど。
たっくんの過ちに気づかなかった私にも非があるんだから、たっくんが私に文句のいくつか言ったって良いんじゃないかって思って。
そう思いを馳せながら、新幹線で窓の外を眺めていた。
・
『あ、おはようございます、店長。』
「おはよ。」
次の日、バイトに行くために駅に行くと“いつも通りの”店長がいた。
眠そうに欠伸して、その口を手で覆っている。
『･･･もう、送り迎えいらないんじゃないですか？』
言いながら、いつものように歩き出す。
店長は、チラッと私を見た後、前を向く。
「終わってないんでしょ、Aからすれば。」
『まあ。･･･でも、もう何かしてくる事はなさそうですけど。』
あそこまで脅かしちゃ、たっくんも引くだろう。
たっくんと変わりない位のことしてると言われれば、文句も言えないんだし。
でも店長は“目には目を、歯には歯を”タイプだろうしな。
店長はニヤッと笑って私を見下ろす。
「わかんないよ？愛が憎悪に変わって、後ろからブスッと･･･」
『物騒なこと言わないでください！』
もう、言っていい冗談と悪い冗談があるでしょ！とプンプン怒っていると、店長が口を開いた。
「まあそこまで弱そうにも見えなかったから、大丈夫だと思うけどね。」
店長を見ると真面目な表情で、それが私をホッとさせる。
「まあしばらく守られてなさい。こっちが納得するまででいいから。」
優しい“お兄ちゃん”の表情の店長に、“でも･･･”と口を開いた。
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作者名：miz | 作成日時：2020年11月19日 8時
