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『何で店長だけが乗り込むことになったの？直登さんが来た理由は？』
一通りの話を聞いてから店長に聞いた。
「直登に電話した。父親に対する誤解を解くチャンスだし。おばあさんは、直登と会いたくないはずはないと思ったからね。」
「乗り込むのはオレのはずだったんだけどな。」
三月くんが軽い感じで言う。
「私が、三月くんじゃない方がいいって言ったのよ。Aちゃんは、自分がきっかけでスクープにされるのは嫌だと思うんじゃないかって思ったから。でも三月くん、何か大きい音とかしたら自分が行くんだって、ずっと車のドアに手をかけててヒヤヒヤしたわ。･･･ふふ、ごめんね、三月くんの格好いい姿見せれなくて。」
何故かおばさんが謝る。
顔を赤くして焦ったような表情の三月くんが、すみませんと謝りながら後頭部に手をやった。
確かに三月くんが乗り込んで来たら、嬉しいかもしれないけど、たっくんのお母さんは見てわかるだろうし大変なことになるのが目に浮かぶから、これで良かったと思う。
にしても、三月くんって血の気が多いんやな。
ハラハラするやろうけど、“何かあったら”って所が、今の私には嬉しい。
そういう所も好きやなあ。
ていうか先輩、母親をいいように使いすぎちゃう？
私の時も三月くんの時も。
申し訳あらへんわ。
助かるけど。
『すみません、たくさん協力してもらって･･･』
ペコッと頭を下げると、おばさんが笑った。
「いいのよ。楽しかったし、□が、今度万理くんも入れて食事しようって約束してくれたから。」
“昔からファンなのー”とコロコロ笑うおばさん。
ファン･･･
『そう言えば千さんと先輩とトリオ組んでる時期があったとか言ってたっけ。』
「その言い方、お笑いみたいだな･･･」
三月くんに微妙そうな顔してつっこまれた。
今のRe:valeもラジオでのノリがお笑いみたいだけど。
百さんと千さんがボケで、先輩がツッコミ。
時々千さんと先輩がツッコミ。
先輩のお母さんと店長が、肩を震わせて笑ってる。
隠そうとしてるんか敢えてしてないんか分からんけど隠せてない。
ジトッと軽く睨みつつ、おばあちゃんに目を向けると、少しうつむき加減に一点を見つめている。
そりゃそうか。
立て続けに色々ありすぎや。
私だって、店長がお兄さんだの双子の兄だの、うまくかみ砕いて飲み込むのが難しい。
理解は出来るけど。
そっと三月くんの方を見ると、三月くんも気づいてくれた。
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作者名：miz | 作成日時：2020年11月19日 8時
