172 〜三月side〜 ページ22
「Aや元カレしか知らない事とか近づくなとか。Aの元カレで間違いないと思う。」
「あいつ、そんな事もしてたのか･･･」
「おかりんと百だけ知ってたんだよ。ズルくない？」
□がプクッと頬を膨らました。
「おかりんの仕事たまたま覗いただけだって〜」
「どうだか。」
怒ってるというより若干拗ねてるような□を、百さんがなだめる。
千さんがオレの方を向いた。
「それ持って彼女を助けてあげなよ。･･･これから彼氏になるんだろう？」
嬉しい。
オレがAのために何かが出来る。
オレが守ってやれる。
「･･･っ、ありがとうございます！」
笑顔でお礼を言うと、イチャイチャし始めた･･･□が困った顔してるけど･･･百さんが、□を後ろから抱きしめてる状態で口を開いた。
「でもそんだけじゃ弱いと思うから、材料増やした方がいいよ。んー･･･例えば、Aちゃんが前の職場にいた時、被害にあった男の子の証言とか。」
「えぇ？そんなのどうやって探すんですか？」
オレが驚いて言うと、百さんがキョトンとした。
「Aちゃんの今の職場の店長なら、履歴書見たら一発っしょ。見せてくれると思うよ？」
一瞬ギクッとする。
さっき知った、店長がAの兄貴だという事実を、知ってるかのようなタイミング。
まあさすがの百さんでもねえか。
「あとはAちゃんのおばあさんが味方になってくれたら言うことないんだけど。三月が芸能人って知ったらどうするかだよなぁ。」
「みっちゃんがこれ持ってくだけなら、芸能人ってわかんないと思うよ。それにおばあちゃんは話せば分かる。Aがたっくんちから家出した時は、心配とかパニックが先立っただけだと思うし。元カレは信用されてたからね。」
証拠があれば手を引くかもと、□が言った。
百さんが首を傾げる。
「話せば分かる人なら証拠がなくても、Aちゃんが説明するだけでわかってくれるんじゃない？親ってそーゆうもんでしょ？おばあさんだけど。」
「へえ？百がそれを言うの。」
「な、何さ。昔はオレも家族と分かり合えない時期あったけど、今は良好じゃん！」
百さんが焦ったように言って、ニヤニヤしている□から離れた。
「だからさ、三月。Aちゃんのおばあさんが味方につけば先手を打った方が有利だし、元カレの実家に突撃！もありえんじゃない？」
「ああ、そうね。Aは、関係を完全に終わらせたいと思ってるだろうし。」
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作者名：miz | 作成日時：2020年11月19日 8時
