49 (高校3年生) ページ50
「あ、A！同じクラスだ！」
始業式。
掲示板に貼り出されているクラス名簿を一緒にいた友達2人と瑠璃と見上げていると、1人の友達が声を上げた。
組を教えてもらってそこを見てると、瑠璃の名前ももう1人の友達の名前もある。
良かったと胸をなでおろして、みんなでやったね〜って喜んでいるのにも関わらず、瑠璃は元気がない。
「違うクラスになっちゃった〜」
『彼氏？』
「うん」
好きな人と離れ離れなのは寂しいよね。
めっちゃわかる。過去の経験者として。でも･･･
『同じ学校にいるんだし、どっちかが遠くへ行くわけじゃないし。休み時間に会いに行けばいいんじゃない？』
「そういう問題じゃなくて〜」
瑠璃がなおも眉を下げて寂しそうにしてると、他校の彼氏がいる友達が笑顔で胸を張った。
「私の彼は他の高校だよ！」
「私は彼氏いないよ！」
『私も彼氏いないし、引っ越しして、色んな友達とめっちゃ離れてるからね！』
順に瑠璃を励まそうと、笑顔で自分たちを卑下する。
「ええ！？引っ越ししたら嫌だよ〜！」
「予定あるの！？」
『ないない』
ギュウッって抱きついてくる友達2人。
一連のやりとりを、ぽかんとして見てた瑠璃は、次第にクスクス笑い始めた。
笑顔で私達に抱きついてくる。
「ありがと！元気出た！」
高校最後の1年、よろしくと言い合った。
百瀬くんや弟がいる入学式。
在校生の席に座っていると、新入生入場の声がかかる。
弟や百瀬くんを確認したい気持ちを抑えて、新入生が通っていく背中を見送った。
後ろ姿で弟も百瀬くんもわかる。
同じクラスっぽいな。
式が終わって片付けも終えて帰ると、弟が私服に着替えてソファでぐったりしていた。
お母さんはいない。
キッチンの水道で手を洗いながら口を開いた。
『ただいま。どうしたの。お母さんは？』
「姉ちゃんお帰り。いや、母さんが春原くんのお母さんと長話してたから先に帰るって言ったんだけど、そしたら2人でお茶してくるって」
『初対面だよね？お母さんとおばさん』
うがいを終えて目を丸くすると、弟はピッと私を指差す。
『姉ちゃんが家庭教師みたいなのしてたから、ずっとうちの母さんに会ってお礼言いたかったんだって。そしたら意気投合してて』
「なるほどね〜･･･まあ楽しそうならいいんじゃないの？」
「春原くんも同じこと言ってた」
『ああ、想像つく』
そう言った百瀬くんを想像して、ふっと笑みがこぼれた。
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ミズ ミズ(プロフ) - KUROさん» コメント励みになります！ある程度の流れは決まっているのですが、セリフや行動にすると自分の他作を彷彿とさせないのが難しく更新が遅くなってしまってごめんなさい(_ _;)頑張ります！読んでいただいてありがとうございます！ (2021年11月23日 0時) (
レス) id: 7a55b8132b (このIDを非表示/違反報告)
KURO(プロフ) - 本当に読んでいて楽しくなれる作品だと思います！更新待ってます！ (2021年11月22日 21時) (レス) id: e464551ebb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：miz | 作成日時：2021年11月11日 13時
