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なんというか儚さを感じさせるような雰囲気の人だな。
色素も全体的に薄いというか。
そして、口にしてるのは桃まんなのに、立ち姿が綺麗で何故かオシャレな物を食べているようにに見える。
別に桃まん、私は好きだから、悪く言ってるつもりはないけど。
「･･････万の彼女？」
「ぅわ！千！もう戻ってきたのか。すぐ後ろから声かけられるとびっくりするだろ」
びゃっと飛び上がるように反応した大神くんは、驚いたように胸を押さえてから、その人の両肩を掴んで後ろを向かせるように押してる。
その人はめっちゃ私を見てるけど。
「じゃ、じゃあ！また！」
苦笑しながら私を向いた大神くんは、明らかに慌てて、その人と一緒に去っていった。
ポカーンとして2人の背中を見送る私。
「お姉ちゃん、肉まん･･･」
妹に袖を引っ張られてハッとする。
頭の中にこだまするのは、さっきの大神くんの友達らしい人の言葉。
“･･････万の彼女？”
うわぁぁぁぁぁ〜！
めっちゃくちゃいい声！！！
京都の時の演劇部の先輩の声に似てる！！先輩よりも澄んでる気がするけど！！
心のなかで、まるでアイドルに遭遇したかのように、きゃあきゃあテンションが上がって、さっき大神くんから貰った2枚の紙を見る。
イケメンかどうかは、正直どうでもいい。
ただ、もしあの人がバンドで歌ったりするのならーー
俄然と聴きたい気分になってくるのだった。
・
大神くんと別れた後、家族と昔話をしながら中華食べ放題をした。
最後にお母さんが中国茶のお店に行っている間に、お土産屋さんで買い物してから帰る。
布団に入ると、妹が布団から顔を出した。
『あ、まだ寝てないの？』
「お姉ちゃん、今日のイケメンの人、お姉ちゃんが好きだった人だよね？」
ギクッとして頬が強張る。
私が、夏祭りに会ったヤマシタくんを思い出してから気づいたんだから、多分妹も同じように思ったんだろう。
軽く睨むと、してやったりと言いたげな、いたずらな笑みを浮かべる妹。
「やっぱり。イケメンだったから、お姉ちゃんに告白してきた人じゃないって、直ぐわかったもんね。って事は一択でしょ？」
『イケメンだったから、って･･･言い方･･･』
呆れて、バサッと妹の頭まで布団を被せる。
『昔のことだよ』
今日の大神くんではなく、昔の大神くんたちを思い出すと、懐かしさだけが心に残る。
それが伝わったのか、妹はすぐに寝息を立てた。
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ミズ ミズ(プロフ) - KUROさん» コメント励みになります！ある程度の流れは決まっているのですが、セリフや行動にすると自分の他作を彷彿とさせないのが難しく更新が遅くなってしまってごめんなさい(_ _;)頑張ります！読んでいただいてありがとうございます！ (2021年11月23日 0時) (
レス) id: 7a55b8132b (このIDを非表示/違反報告)
KURO(プロフ) - 本当に読んでいて楽しくなれる作品だと思います！更新待ってます！ (2021年11月22日 21時) (レス) id: e464551ebb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：miz | 作成日時：2021年11月11日 13時
