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言われてみれば、昔よりも大人っぽくなって分かりにくいけど纏っている雰囲気は変わらない。
『思い出した！久しぶり！』
「あはは、久しぶり」
笑うとちょっと子供っぽくなる表情も、確かに彼だ。
なんだ、知り合い。と弟が妹を引き連れて下がった。
「愛知に引っ越したんじゃなかった？」
『その後で京都に引っ越して、今は東京に住んでるの』
「相変わらず引っ越してばかりなんだ？」
『うん。長くいたいんだけどね。大神くんは？地元からだとここって意外と距離あるでしょ？』
私の問いに、ああ、と気づいたように、背中に背負っていた大きな黒いバッグを見せてくれる。
違う。ただのバッグじゃない。
「コレ」
『何が入ってるの？』
「ギターだよ。この近くのライブハウスでバンドしてるんだ」
『へえ。昔も音楽好きだったもんね。似合う』
「そう？ありがとう」
大神くんがふと私の後ろに目線をやって、ペコっと小さく頭を下げる。
振り返ると、お母さんとお父さんが戻ってきていた。
「じゃあそろそろ行くよ。･･･あ、そうだ」
行こうとした大神くんが、ギターケースの外側についてるポケットのファスナーを開ける。
大神くんは、そこからファイルとペンケースを取り出した。
名刺ほどの大きさの紙を2枚取り出して、1枚に何か書いてる。
書き終わったその紙と色付きの紙をクリップで留めたものが、私の目の前に差し出された。
「興味あったら来て。今日じゃなくて良いから」
色付きの紙はライブハウスの名刺。
もう1枚を見ると、いくつかの日付と時間が記されている。その下にはーー
“Re:vale”
『リ･･･ヴァーレ？大神くんがいるバンド？』
「そう。Re:vale。もし書いてる日が用事あったら、ライブハウスのホームページにも日付と時間が出てるから、見てくれたら」
そう言いながら、ライブハウスの名刺に記載されているホームページのアドレスを指さしてくる。
一度は見てほしいんだろうなと純粋な想いが見て取れて、ふっと笑みが溢れる。
「ん？何？」
『ううん。大神くん、身長伸びたなぁって思って。昔は同じくらいだったのに』
「ああ、そりゃあね。Aはあまり変わらないな。ひと目見て分かったよ」
『ええ？身長伸びてるし変わったはずだけど！』
離れてた数年を感じさせない位の掛け合いが楽しい。
2人して笑ってると、イケメンが桃まんを口にして大神くんの後ろに立った。
感情が顔に出ないのか本当は興味がないのか、無表情で私を見る。
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ミズ ミズ(プロフ) - KUROさん» コメント励みになります！ある程度の流れは決まっているのですが、セリフや行動にすると自分の他作を彷彿とさせないのが難しく更新が遅くなってしまってごめんなさい(_ _;)頑張ります！読んでいただいてありがとうございます！ (2021年11月23日 0時) (
レス) id: 7a55b8132b (このIDを非表示/違反報告)
KURO(プロフ) - 本当に読んでいて楽しくなれる作品だと思います！更新待ってます！ (2021年11月22日 21時) (レス) id: e464551ebb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：miz | 作成日時：2021年11月11日 13時
