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書類を取りに行った2人を見送って校門前で待つ。
次々と帰っていく人や、友達同士で話してる人たちがいるのをボーッと見ていると、弟と百瀬くんが戻ってきた。
『おかえり。帰ろうか』
「姉ちゃん、そこに友達いたからちょっと話してくる。待ってて」
『ええ？寒いからやだよ』
「ちょっとだから！」
手を合わせる弟の背中を見送る。
私が待つのはいいけど･･･
百瀬くんと目が合うと、申し訳ない気持ちになった。
『ごめんね、弟勝手で。先帰っていいよ』
「オレも一緒に待つよ。友達いたら話したくなるよね！」
うわあ、優しいな。
待ってる私にも、弟にも気を使ってくれてる。
笑顔をみせてくれた百瀬くんに、私も笑顔を返す。
『ありがとう』
「いや、なんだかんだ言ってAさんも待ってあげてるし、そういう愛情深いとこ前から好きなんだよね！」
『え？』
「え？」
好き？
好きって･･･
キョトンとすると、百瀬くんもキョトンとしてる。
その反応で、一瞬勘違いした自分が恥ずかしくなった。
『あ、あはは、愛情深いなんて照れる〜』
かあっと頬が赤くなるのを感じて、ごまかすように後頭部を掻きながら苦笑する。
めっちゃ恥ずかしい！
百瀬くん相手にそういうこと思った事ないのに、何勘違いしてるんだ私！
百瀬くんも、言っちゃいけなかったって思ってそうな顔で口押さえてから、俯いちゃったし！
微妙な空気が続かないように会話を探す。
すぐ思いついて慌てて口を開いた。
『あ、2個目のお願い！決まってる？』
2個目のお願いは“受かったらお願いする”だ。つまりご褒美。
聞いた時思わず『それアニメとか本でめっちゃ見たり聞いたりするやつだけど、本当に言う人いるんだ』って言っちゃったら、百瀬くんに爆笑されたっけ。
百瀬くんが俯いた顔を上げて、口を押さえていた手で額を掻く。
顔が赤い。
「今日実は2個目のお願いの話を元々したくて誘ったんだよね」
百瀬くんの赤い顔に疑問を感じるものの、次の言葉で腑に落ちる。
「だから、姉ちゃんに今日一緒に行くの、言っちゃったの！？って思った。なんか恥ずかしいじゃん。お願いまでしてるの！？って姉ちゃんに言われそうで」
百瀬くんが照れたように笑みを浮かべて今度は頬をかく。
『確かに私が百瀬くんの立場なら、弟はともかく、妹に何か言われると思って黙るかも。言っちゃってごめんね？』
「いいよいいよ！気にしないで！？」
微妙な空気はなくなっていた。
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ミズ ミズ(プロフ) - KUROさん» コメント励みになります！ある程度の流れは決まっているのですが、セリフや行動にすると自分の他作を彷彿とさせないのが難しく更新が遅くなってしまってごめんなさい(_ _;)頑張ります！読んでいただいてありがとうございます！ (2021年11月23日 0時) (
レス) id: 7a55b8132b (このIDを非表示/違反報告)
KURO(プロフ) - 本当に読んでいて楽しくなれる作品だと思います！更新待ってます！ (2021年11月22日 21時) (レス) id: e464551ebb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：miz | 作成日時：2021年11月11日 13時
