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「雨きらーい・・・」
瑠璃が机に突っ伏して唇を尖らせた。
『何ー?髪の毛?』
「そう。質量がフワってなる」
『くせっ毛大変だね』
「ホントだよ〜」
6月下旬。
梅雨真っ只中の頃には、クラスに馴染んで、友達もそれなりに出来た。
中でも一番仲がいいのは瑠璃。
めっちゃ明るい優しい子。
弟がいるらしい。見たことないけど。
かくいう私も妹と弟がいるから、同じ長女としても気が合うのかな?
「やだなー。期末テストまで1週間きった〜部活ないしさぁ」
『ああ、瑠璃って何が苦手だっけ?』
「全部だよ全部!」
『そんなわきゃないでしょ。得意科目あるでしょ?』
「Aに比べれば出来ませーん」
比べるもんじゃないと思うんだけど・・・と思ってると、瑠璃が急にバッと顔を上げた。
すんごい笑顔。
「いいこと思いついた!」
『何?』
「一緒に勉強しよう!どっちかの家でテスト勉強!わかんない所は教えあうの!」
『・・・全部苦手って言ってなかった・・・?』
まあいいけど。
教えれたら、こっちも理解できてるのか把握できるし。
『あ、でもうち、弟が高校受験だから邪魔しない方がいいかも・・・今日塾じゃないから家でやってるんだよね』
「え!?Aの弟、中3!?うちもだよ!?」
『そうなの?じゃあファミレスとかでやる?邪魔しちゃうと悪いし』
空いてるファミレスはあるし、混んできたらまた次やればいい。
そう思ってると、瑠璃は笑顔で“大丈夫!”と胸を張った。
「うちの弟、部活してるからさ、まだ引退じゃないんだよね」
『へえ、部活?何の?』
「サッカー部!」
『・・・今日、雨降ってるけど・・・?』
「・・・そういえば・・・」
2人で窓の外を見る。
同時に苦笑して、明日の天気が晴れだったら明日やろうという事になった。
・
『おじゃましまーす』
「どうぞー。入って入って」
次の日は曇り。
うちの弟は家にいるからという理由で、学校から直接、瑠璃んちにやってきた。
手洗いうがいして、階段上って瑠璃の部屋に案内される。
「適当に座っててね。飲み物持ってくる!」
『ありがとー』
ふーん。
あっちは弟くんの部屋か。
今日は部活でいないらしいけど。
瑠璃の部屋は可愛いな。
整頓されててキレイ。
いつもお母さんに、片付けしろって言われて片付けする私とは違うんだろうな、きっと。
部屋中央にある、円形のこたつっぽい机の下にある座布団を見つけて、引き出してから座った。
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ミズ ミズ(プロフ) - KUROさん» コメント励みになります!ある程度の流れは決まっているのですが、セリフや行動にすると自分の他作を彷彿とさせないのが難しく更新が遅くなってしまってごめんなさい(_ _;)頑張ります!読んでいただいてありがとうございます! (2021年11月23日 0時) (レス) id: 7a55b8132b (このIDを非表示/違反報告)
KURO(プロフ) - 本当に読んでいて楽しくなれる作品だと思います!更新待ってます! (2021年11月22日 21時) (レス) id: e464551ebb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:miz | 作成日時:2021年11月11日 13時