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「ねえ、百に勉強教えてやってくれない？百とうちのお母さんには話するし夏休みだけでもいいから!」
『ーーえ？』
両手で私を拝む瑠璃。
目が点。
脳裏に百瀬くんの顔がよぎる。
すぐに両手を横に振った。
『いや、いうて、百瀬くんは受験生でしょ？それなりに勉強したり塾とか行って、出来てるんじゃないの？瑠璃だって教えてあげられるでしょ』
「私は無理。何でこんなのも出来ないのー！？って怒っちゃう･･･」
はぁ、とため息つく瑠璃。
仕方なく、百瀬くんの中間テストの答案を見てから考えると返事をした。
数日後。
おじゃましますと言って瑠璃の家に入った。
「姉ちゃ〜ん、母ちゃんから。おやつ〜」
「ああ、ありがと！」
瑠璃の部屋のドアがコンコンとノックされて、ヒョコッと顔を見せた百瀬くんと目が合う。
ニパッと笑顔を向けられて、笑顔を返す。
初対面の時の気まずさは、既になかった。
「早くテストの答案持ってきなよ」
「わーかってるって！Aさんごめんね！姉ちゃんが勝手なこと言って」
『いいよ。夏休み結構時間あるし』
教えるかどうかは百瀬くんの答案見てみないことにはなんとも言えないけど。
百瀬くんが笑顔でお礼を言いながらドアを閉める。
すぐに戻ってきた百瀬くんの答案用紙を見て、思ったことが口をついて出た。
『･･･受験生でしょ？今まで何やってたの･･･』
「･･･サッカー･･･」
『勉強のこと聞いてるんだけど』
「それはぁー･･･」
いつも笑顔の百瀬くんが、ポリポリ人差し指で頬を掻く。
微妙に引きつっていて目はウロウロしていた。
「脳まで筋肉で出来てんのよ」
「そこまで言うことないじゃんか！姉ちゃんだって高校入んのに大変だっただろ！」
「うちの高校は偏差値高めなんです！大学とも連携してるし！」
本当に仲いいな、この姉弟。
『はいはい、そこまで。･･･高校、どこ行くの？』
「姉ちゃんとおんなじとこ！」
『え？･･･この点数で入れるの？』
「そんなにオレ、ヤバいの！？」
『そこまでじゃないけど、安心できるレベルは欲しいよね』
百瀬くんが、真っ青になりながらもコクコク頷く。
お母さんには教えることになるかもって言っといたし･･･
『受験まで8か月か･･･夏休み中に教科別に、問題ないとこまで遡ってやろうか』
「えっ！？教えてくれんの！？」
『うん、百瀬くんと時間が合えば』
「･･･っし！頑張る！」
気合の入った百瀬くんに、頑張ろうねと言って微笑んだ。
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ミズ ミズ(プロフ) - KUROさん» コメント励みになります！ある程度の流れは決まっているのですが、セリフや行動にすると自分の他作を彷彿とさせないのが難しく更新が遅くなってしまってごめんなさい(_ _;)頑張ります！読んでいただいてありがとうございます！ (2021年11月23日 0時) (
レス) id: 7a55b8132b (このIDを非表示/違反報告)
KURO(プロフ) - 本当に読んでいて楽しくなれる作品だと思います！更新待ってます！ (2021年11月22日 21時) (レス) id: e464551ebb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：miz | 作成日時：2021年11月11日 13時
