【アイナナ】この道の先に。 2 (ページ7)

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57　（記念イベント）ページ7

「うちでイベント担当することになった。」

イベント？

握手会とかフェアとか？
いや、フェアなら今までもやってるか。

「握手会とかトークですか？中の人？」

手を挙げた男性店員が聞くと、店長は頷いて言った。

「DVDとBlu-ray発売記念イベント。」
「あ、私知ってる！開催場所と時間が未定で、当選者だけが行けるやつですよね！登壇する人もシークレットって。」

「そう、それ。うちは店舗が広い訳じゃないから、違う階でやるんだけど、スタッフが4、5人いればいいって言ってるから、この中から、俺と副店。あとAは業界に興味ないからメンバー決定ね。あと口が堅くて当日出勤予定の2人、この中から選ぼうと思ってんだけど。」

いわゆる雑用。
やりたい人なんて･･･と思ってると、女性陣が目を輝かせていた。

え？やりたいの？
貧乏くじ引いたって思ってるの、女の人では私以外いないの？

店長は、興味なさそうで、やりたくなさそうな態度の男性店員を指名した。

「えー･･･三月くんが登壇するならいいなって思ってたのに。」
「そういう目をしてたから外した。俺もまだ誰が来るか知らないの。」
「何時から何階でやるんですか？」
「今日決めたメンバー以外立ち入り禁止。教えない。」
「俺代わってやるよ。」
「やった！」
「駄目。店長命令に背くなんて良い度胸してるね。」

店長の笑顔が怖い。

【でも･･･そうか。三月くんの可能性もあるのか･･･】

でも例え三月くんだとしても、仕事で来るんだろうし、友達としては振る舞えないだろうな。
まあ、誰でも良いか。
私も仕事だし。

考えにそう区切りをつけて、目の前の食事に手をつけた。

・

イベント前日。
イベント場所のセッティングをするために、夜出勤。
掃除とテーブルと椅子を並べて、その他もろもろ準備。

その日は店長に送ってもらって、次の日。

イベント当日。

当日はイベント開始時間がバレないようにと、店舗への出勤ではなく、直接イベント場所に(っていっても、違う階なだけだけど)行って、終わったら帰るという、ある程度楽？な出勤になった。

特別手当つくみたいだし。

『おはようございます。』

「Aちゃん、おはよう。」

副店長が先に来ていた。
残り2人の男性店員が来ると、説明を受ける。

本当に雑用。
お客様ご案内や、一部警備事みたいなのだけじゃなくて、ゲストの補佐もやるらしい。

「マネージャーとかが、やらないんですね。」

男性店員が言うと、副店長が言った。