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『･･･私、先輩みたいになりたい。』
先輩みたいに、大事な人と、笑いあって想い合って、一緒に歩けるような人がいい。
『そのためには、たっくんとはやり直せへんし、元にも戻れへん。』
･･･「ほな、たっくんと話しいや。でも□ちゃんとはもう関わらんといて。」
『なんでよ。先輩は悪ないやんか。』
･･･「芸能人やってるって分かっとって、たっくんともこうなるんやったら、上京していいなんて言わんかったわ。こっち帰って来なさい。」
やっぱ、バレたんや。
先輩が芸能界の人やって。
『嫌。帰らへん。お父さんが芸能界の人でなにしたんか分からへんけど、少なくとも私が会った人は良い人やったわ。おばあちゃんやって、先輩の事は気に入ってるやんか。』
･･･「！誰？誰と会うたの。」
『おばあちゃんが知らん人や。先輩に会わんで言うんやったら、しばらく帰らへんから。』
そう言って電話を切った。
・
【ああもう！めっちゃブルー･･･】
品出ししている最中で、開店5分前のアナウンスが流れる。
「元カレちゃんじゃないなら良いけど。じゃ、頑張って。」
『どこ行くんですか。』
「本社。会議の日でしょ。」
『昼からのはずですが。』
「副店長いるんだから大丈夫。じゃーよろしくー！」
店長が言って去ってく。
あ、副店長に止められた。
どうせ飲みに行くとか言われるんだから、リフレッシュさせてとか店長が言ってて、いつもでしょってツッコまれてる。
ここは今日も平和。
【言い過ぎたかな〜おばあちゃんに。】
頭ごなしに否定すんのも違うと思うんだけど。
もやもやしつつ、だからといってこっちから折れず。
次の日、店長から極秘会議と言って店員数人で食事に行くことになった。
『ごちそうさまでーす。』
「誰が奢ると言った。」
「だって会議だけど給料でないですよね。時間外だし。」
『副店長分かってる〜！』
「もちのろんよ！」
つられるように皆で、ごちそうさまでーすと言う。
「分かった。女だけな。男は自分で払え。」
副店長と、やったー！と言ってハイタッチ。
男性陣は、えー！と文句たらたら。
ビール飲もう！←
しかしここにいるのパートタイムの人だけだな。
夜の人はいない。
皆の食事も飲み物も揃ったところで、店長が口を開いた。
「全員“ここな”知ってるな？」
なんだ急に。
専用スペースでも作るのかね？
いや、そんなんなら会議まで大っぴらにしなくていい。
副店長は何の話か分かってるみたい。
皆で頷いた。
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作者名：miz | 作成日時：2020年6月5日 0時
