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プレゼントをあげにくいなら、先輩の所に行った方がいい。
包みを開けられて反応見ちゃうのが怖くなっちゃったし。
いや、安物だとかでどうこう考える人じゃないっていうのは分かってんねんけど。
いくら好意的に見られてる(自惚れてるだけかもしれんけど)からって、そういう理由で甘えて、それやったら良いかってあげるんは嫌やし。
何とか、せなあかん。
これだけやなくて、他にもプレゼント･･･
『ほな、後でな。』
タイミング的に今だろうと思って、こそこそプレゼントがバレないように自分の体の影に隠しながら、三月くんに背を向けた。
「･･･なんでテンパってんだ？急に･･･」
三月くんが首を傾げながら言った言葉は聞こえていなかった。
先輩の所に戻ると、事務所の談話室使っていいよと社長さんと大神さんに言ってもらえたらしく、先輩について行く。
テーブルにお互いに飲み物だけ置いて、ソファに横並びで座った。
「みっちゃんにあげなかったの？プレゼント。」
『え？ああ、これ･･･』
持ってきてしもうた。
荷物と一緒に置いてくるんやった。
『うん。何か恥ずかしなって･･･』
苦笑いしながら先輩に向くと、先輩はクスッと笑った。
「関西弁なのは何で？恥ずかしくなった理由と関係ある？」
･･･お見通し･･･
観念して、三月くんが貰ってたプレゼントが高級そうな包みだったのが多かった事を説明した。
「ああ、なるほど。まああげる方としては値段は気になるよね。」
『せやろ？』
「でも、Aがそういうの気にするのって珍しい。」
『え？そう？』
「うん。気持ちがこもってるなら何でも良いんだって、言ってた方じゃなかった？ほら、昔、好きな男子にプレゼントすることになった私に向かってさ。」
『ああ･･･』
そういえばそんなこともあった。
ある男子が引っ越しするというので、簡単なプレゼントあげるっていう事がクラス内の数人で決まったと先輩から聞いた。
その男子は先輩の好きな人だったから、じゃあ□ちゃんもあげればって私が言って。
用意したプレゼントは小学生の時だったから、大した物が買えないからどうしようって言ってて。
その時私が言ったんだ。
“気持ちがこもってるなら何でも良いねんで。よく言うやん。”
「それでも想像よりも喜んでもらえない時の切なさも、大人になったら知っちゃったりするけど、一生懸命考えて選んだって気持ちが伝われば良いんだし、みっちゃんもそれが分かる人だと思うよ。」
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作者名：miz | 作成日時：2020年6月5日 0時
