私の指輪 ２ ページ43
千の言葉に、私も、さっきまでハートを飛ばしていた百までもピタッと止まった。
私がおもむろに指輪を外そうとすると、千が珍しく慌てた。
「冗談だよ。Aは、ヤスの時はいいけど他の時は指輪出来ないでしょう。ほら。」
千はそう言って飾りのついてないネックレスを渡してきた。
「ヤス以外の時は、これでつけていて。これなら良いでしょ？」
『･･･ありがとう。』
素直に受け取ると、千は嬉しそうに微笑んだ。
「でもさすがユキ！よくAの指輪の号数知ってたね？」
百がキラキラしている目をして、千を見た。
『ほんとだ。私だって知らなかったのに。』
「連ドラの撮影初日。しばらく手を触ってたでしょう。店に行って、これ位って言ったらなんとかなった。合わなかったらまた来てって言われたけど。」
『あぁ、あれ。･･････は！？あんなに前から！？』
「なにそれ！超超イケメン！モテるダーリンは、さすが違う〜！」
百が私の言葉に被せるように言った。
あ、ダーリン、きましたね。
『キザね･･･』
私が力なく言うと、百は、そこもいい！とはしゃいでる。
なんていうか、大好きですね、千のこと。
そういえば私のこと、憧れられてる割には可愛い以外に、どこがいいとか言われた事ないなと思って、ちょっと凹んだ。
・
寝る前のひと悶着。
「じゃあA、一緒に寝よう。」
『寝ません。』
「モモだけズルい。」
『ずるくありません。おやすみなさい。』
布団に入ると、そっと横に寝ようとする千。
『そこ百の布団でしょ。あっち行きなさい。』
「いやだよ。母さんと一緒じゃないと寝れないんだ。」
「『ぶほっ！！』」
百と私が思わず吹いた。
百は歯磨き後のうがいをしていたから、水が飛び散っていた。汚い。
『な、なにそれ。』
「いや、Aが子供に言うみたいに、あっち行きなさいって言うから。」
すると飛び散った水を掃除し終わった百がやってきて、千と私の間に入って言った。
「はいはい、ユキくんや、あっち行きなさい。父さんの布団だよ。」
『ふはっ！』
ウケる。
「えー父さんばかりずるいよ･･･って、なんかヤダな。モモ、子供役やらない？僕、父親やる。そしたらAと夫婦。」
『あははははは！何で急に漫才してるの？』
隣の部屋から、ガンッと壁を叩く音がして、すぐ黙る。
『ご、ごめん。･･･くくっ･･･』
私は布団を被って笑いを堪える。
百と千は互いを見合って微笑んだ。
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ミズ ミズ(プロフ) - あいすさん» いつも読んでいただき、ありがとうございます！落ちは決定した物が知りたくなれば、“契約設定＆落ちと挨拶”をご覧ください。こういうコメント、元気になります！嬉しいです＾＾ありがとうございます。 (2019年2月17日 21時) (
レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
あいす(プロフ) - 読んでいて凄く引き込まれます。更新スピードも早くて飽きなくて面白い！百と千どっちとくっつくのかわくわくしながら読んでます。これからも楽しみにしてますー！ (2019年2月17日 20時) (レス) id: 4ad8dbbe47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：miz | 作成日時：2019年2月16日 3時
