大事な人 ２ ページ3
「A、誤解される言い方やめろよ。」
濃紺のスーツ
藍色のネクタイ
深い空色の瞳
ネクタイよりも深い青の髪の色
視界がぼやける。
『･･･っ万！』
私は立ち上がって心が赴くまま、万に抱きついた。
万が深くため息をついたのが分かったけど構わずそのままでいた。
万の胸で涙する私の背中を、万は優しくなでてくれた。
・
『ずみ”ま”ぜん”･･･』
「はい、ティッシュ。」
隣に座った万から差し出されたティッシュの箱を受け取って鼻をかむ。
ゴミ箱も出してくれる。
「1年たってないだろ。泣き虫。」
呆れたようにピシャリと万が私に言った。
『う･･･だって･･････』
泣き虫って言われた。
いや、分かってるけど。言い方きつかった、今。
「Aちゃんとは、1年は会わないって言ってたんだよ。だから会わせるつもりはなかったよ。」
おじさんが言った。
「でもね、実は岡崎社長から電話があってね。僕は、Aちゃんと住んでるから主要な事だけ聞いていたんだよ。ちゃんと聞いたよ、それを知るのは誰か。でも大事な男性だけは確証がなかった。
･･･やっぱり万理くんのことだったんだね。」
「だから小鳥遊社長は、内容は言えないけど、Aの芸能業でのトップシークレットだから、大事な男性がもし俺ならどうしたいか聞かれてね。もしそこまで言ってくれるなら聞くって答えたんだ。」
言いながら万が微笑んでいる。
「さて、じゃあ改めて契約書を拝見しようか。」
・・
おじさんにサインと判子を貰って、万と駅まで歩いた。
「Aが女優やるの、なんか納得した。」
『え？納得？私にそんなスキルないよ？』
万は言葉を選ぶように、少しずつしゃべる。
「なんていうかさ、Aって前世の記憶があるだろ？でもAが経験してきた記憶もちゃんとある。言うなれば、2人の人格が混在してもおかしくないと思うんだよ。」
ふんふん、と頷きながら聞く。
ま、混在はナイな。
「それに、Aからすれば前世の事をなるべく隠さなきゃいけない。そのためには嘘をつかなきゃいけないこともあるけど、Aは嘘が下手だろ？」
ふんふん･･･ん？
『嘘、下手？』
「多分あまり嘘つかないだろ？でも矛盾を指摘されてバレそうになると表情が固まってる。気づいてないのか？」
『あまり･･･』
「もっと賢くなれよ。･･････ま、いい所でもあるけどさ。」
そうか、言われてみれば、そんな感じかも。
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ミズ ミズ(プロフ) - あいすさん» いつも読んでいただき、ありがとうございます！落ちは決定した物が知りたくなれば、“契約設定＆落ちと挨拶”をご覧ください。こういうコメント、元気になります！嬉しいです＾＾ありがとうございます。 (2019年2月17日 21時) (
レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
あいす(プロフ) - 読んでいて凄く引き込まれます。更新スピードも早くて飽きなくて面白い！百と千どっちとくっつくのかわくわくしながら読んでます。これからも楽しみにしてますー！ (2019年2月17日 20時) (レス) id: 4ad8dbbe47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：miz | 作成日時：2019年2月16日 3時
