仲直りの妥協点 ページ14
車の中でおかりんがバックミラー越しに私の方を見る。
『何？』
「仲直りして下さいって言ったじゃないですか。」
おかりんの言葉にため息を吐く。
『百次第だって言ったよ？百は私と千のためにすぐ無茶をする。裏で何やってんだか。』
「無茶をするのは、お2人の事が好きだからですよ？」
『そんなの知ってる。でも無理しないでほしい。命までなげうって欲しくない。』
私が言うと、まさかそこまでしないと思いますが･･･と、おかりん。
しようとするんだよ、4年半後位に。
『あの意識が変わらないのは分かる。呼び捨てになっても百の中ではずっと、ユキさん、Aさんのまま、憧れから抜けないから。』
「自分も百くんに、それとなく仲直り勧めてみます。明日レコーディングですし、気持ちよく歌っていただきたいですからね。」
『ありがとう、おかりん。』
スタジオに着くと、エレクトーンの練習を軽くしてから収録に臨んだ。
前世でいつだったか、百と千を見て「狂ってる」と万が言ったのを覚えている。
千は音楽に対して、これ以上ない位に貪欲だ。
事務所と契約してから行われたライブだって、とっても楽しそうだった。
抑圧されてきた想いが、爆発してるんだろうと思う。
歌って踊る千は本当に楽しそうで、ファンサもそれなりに出来ている。
対して百は、千(今世では千と私)に対して、これ以上ない位に自己犠牲をする。
愛情が深いのは分かる。
見境なく千のために、私のために何かをする姿は、見ていて悲しい気持ちになる。
千は分かってるようで分かってないだろうな。
私は千に言われない限り、自分で見つけない限り、知らないフリをする様にしていた。
百のその行動の先にある栄光を、知っているから。
百と私の間に妥協点を作らないと、仲直りは出来ないだろう。
どこまで踏み込める？
百ほど頭が良くない私は、未来を知っている分しか百の先を読めない。
だめだ。
妥協点が掴めない。
今日帰ったら、久しぶりにアイナナ時系列に書いた日記帳を読んで整理しよう。
そして妥協点を見つけて、百と話しよう。
そう、思っていた。
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ミズ ミズ(プロフ) - あいすさん» いつも読んでいただき、ありがとうございます！落ちは決定した物が知りたくなれば、“契約設定＆落ちと挨拶”をご覧ください。こういうコメント、元気になります！嬉しいです＾＾ありがとうございます。 (2019年2月17日 21時) (
レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
あいす(プロフ) - 読んでいて凄く引き込まれます。更新スピードも早くて飽きなくて面白い！百と千どっちとくっつくのかわくわくしながら読んでます。これからも楽しみにしてますー！ (2019年2月17日 20時) (レス) id: 4ad8dbbe47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：miz | 作成日時：2019年2月16日 3時
