【アイナナ】この道の先に。 (ページ35)

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「今年になって急に□のCMとかめっちゃ流れてて、万理さんと、宣伝の仕方と煽り方がすげえなって言ってたんだ。全部、□のために･･･この、Re:valeに公式的に、□を戻すために全部、百さんや千さん、岡崎事務所の人たちが考えてやってんだよ。」

戻す？

「格好いいよな。」

『･･･戻すって何？』

「･･･え？」

テレビを眩しそうに観ていた三月くんが私を向いた。

テレビでは、百さんと千さんと先輩が笑っている。

「ユキと一連のヤツさせてよー。」
「見飽きてるけど。」
「いやん。事務所でも、やってるってバラしちゃイヤ～」
「僕らはいつでもラブラブだからね。」
「え？ノーマルじゃなかったの？」
「「ノーマルだよ！」」

三月くんが、えーと･･･と、明らかにしまったと言いたげな表情をした。

「･･･悪い。オレから言えないから、□に聞いて。オレがちょっと言ってたって言って良いから。」
『あ、うん。』

再びテレビに目線をやるも、気になって仕方ない。
戻るって、元々そこにいたって時に使うよね。
普通、意味としては。

先輩がギターでRe-raiseのサビの部分を千さんと弾いて、百さんと千さんが歌っている間も気になっていた。

先輩が“星屑マジック”をエレクトーンで弾いて、それに対して百さんと千さんが歌とダンスを披露すると、その考えは一掃された。

『わー･･･格好いい･･･』

先輩の指、すごいよく動くな。
全員が生き生きしてて、カッチリかみ合ってる気がする。

まるで、目の前にあるものが、元々のRe:valeみたいに。

観終わると、三月くんがヤスさんの生演奏があるNEXT Re:valeをつけてくれる。

【元々先輩はRe:valeだったってこと？３人でいるのが自然なくらいの番組だった･･･】

けれどヤスさんのを観ても、同じ様に自然だと思って、遜色ない事に驚いた。

比べられない。
これはトークの所が多少扱いが違うものの、生演奏や歌やダンスの完成度は同じと言っても良かった。

「どうだった？」

『あ、えと･･･』

“トークだけが違う、同じものを見せられた気分。”

この感覚をそのまま言って良いのか。
プロなら違いが分かるのかな。

『･･･凄かった。』

結局それだけしか言えなかった。

それからは三月くんとお茶しながら、IDOLiSH7に引っ越しの話が出てる事やマネージャーが代わるかもと聞いて、寂しいねって話して。

送るって言ってくれた三月くんに、まだ明るいからと１人で寮を後にした。