【アイナナ】この道の先に。 (ページ34)

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『どれをどうしたらつくのか分かりません。』

はた、と動きが止まった三月くんと見合ってしまう。
一瞬の後、三月くんが笑った。

「悪い悪い。テレビ観ない奴って、どういうのか分かんなくて。そっか。待ってな。」

少しした後、お菓子とお茶を持って、三月くんが来てくれた。

黒くて平べったい長方形のをテレビに向けて、赤いボタンを押してる。

『･･･！ついた！凄い！あ、そっか。エアコンと同じつくり？』

「あはは、どうなんだろ？電源は本体にも一応あんぞ？ほらここ、電源と音量とチャンネルと･･･」

三月くんが笑いながら、テレビ本体の横に行って何かを開けて指差す。
ついていって三月くんの指の先を見ると、確かにあった。

『カバーとんないとダメだったんだー。わかんなかったー！』

笑いながら後ろを振り返ると、意外と三月くんが目と鼻の先にいてお互いに目を丸くした。

「あ･･･悪い。」
『あ、いや･･･私も･･･』

なんだこの気まずさ。
いたたまれない。

視線をテレビにやると、昼の番組がやっていた。
ニュースじゃないのはわかる。

やっぱり知らない人だらけ。
でも新鮮。

『こんなの、やってるんだ･･･』
「あ、観たい？それとも□のとRe:valeの観るか？」
『あ、先輩のとRe:valeの観る。』

観せてもらうのは、ヤスさんが生演奏してるのと、先輩が生演奏してるの。
両方、NEXT Re:valeってので放送されてたと言う。

三月くんがリモコンを操作して、番組を見せてくれた。

まずRabbiTubeの動画と同じ日に放送された、先輩が生演奏してるの。

NEXT Re:valeっていう番組だ。

「今日のゲストは、人気上昇中！オレたちと同じ事務所で同期で女優さんの、□で･･･さんです！」

百さんの元気な声と共に始まった番組は、まだ片手で数えられる位しか会ってない百さんと千さんが、先輩と仲が良い事がわかる空気が流れてた。

【知ってるだけじゃない。知らなくても多分･･･】

「□ってさ、世間では性格わかんねえって言われてたんだ。雑誌のインタビュー記事以外は、ドラマとか映画とか舞台とか。ほぼ演じる事しかやって来てねえし、番宣･･･番組宣伝とかでテレビに出る事もねえし。CMもラジオもやんねえし。」

三月くんがテレビを観ながら教えてくれる。
一瞬三月くんを見た後、テレビに視線を戻した。

百さんが、□先輩がドラマや映画に出る話をしていた。
番宣は最後か今かで百さんが先輩を弄ってる。

楽しそう。
面白い。