【アイナナ】この道の先に。 (ページ12)

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長方形のテーブル。
仕切りの役目だろうシックな暖簾をくぐると、２人の男性が既に並んで座っていた。

おっそろしく姿勢のいい穏やかそうな笑顔の銀っぽい色の長髪男性と、目がくりくりで黒髪に白のメッシュの男性。
最近変わった色のヘアアレンジ、流行ってんの？

どっちが彼氏？
先輩はイケメン好きだから、長髪の人？

【どっかで見たことあるような･･･？】

店の人に椅子を引かれて座る。
先輩が私の横に座ってくれた。

「あ、A。えと、こっちが彼氏の、春原百瀬。百、話してた友達のAA。」

先輩は、先輩の向かいの席の人に手の平を向けて紹介してくれた。

「初めまして。春原です。お会いできて嬉しいです。モモちゃんって呼んでね！」

わ、人懐っこそうな笑顔。
つか、モモちゃんって自分で言うのか。大人の男の人が。
でも違和感ないのが凄い。

百さんの隣の長髪の人が、僕は？って言ってる。
□先輩が連れて来たくなかった人は、こっちか。

『初めまして。AAです。こちらこそお会いできて嬉しいです。』

お2人を見て自己紹介して微笑む。

「僕は折笠千斗。千って呼んでね。」
『はい。千さん。』

ニコッと笑うと、千さんは、へえ、と感心したような声を出した。
同時に料理が運ばれてきた。

野菜のテリーヌ。
色が鮮やかで綺麗。エビが入ってる。

千さんのだけ色味が違く見えるけど、気のせい？

出会いに乾杯して、みんなを見習って、端からカトラリーを手にとって食べる。
当然のように美味しい。

「□と違って、素直そうな子じゃない。」
「千、一言余計。」

「それにしても、本当に僕らのこと知らないんだ？」

この前からこの質問が飛び交ってる気がするんだけど。

「テレビない生活だし興味ないんだから。私の家でも観ないみたいだし。」

先輩の言葉に、ああでも･･･。と口を開いた。

『お2人、見たことあるような気はするんですよね。』

すると百さんと千さんはキョトンとして、先輩と顔を見合わせて笑った。

「光栄だね。」
「ラジオ聴いてるなら、名前も聞いたことあんじゃない？三月たちにも会ったみたいだし。」

『三月くんもお知り合いなんですね。三月くんの仕事知った時は驚きました。』

バイト先で売ってる雑誌に名前が載ってた。

ここなちゃんのボーイフレンド役。
まさか声優さんだったなんて。

なんで会った日に気づかなかったのか不思議な位。

IDOLiSH7っていうのも有名なのかな。