【アイナナ】この道の先に。 (ページ1)

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テレビや芸能界には興味ない。
おばあちゃんに育てられたせいか、ラジオだけよく聴いていた。
漫画とゲームは、昔からの付き合いの□先輩(女)の趣味で、付き合いで手に取ってたけど。

彼氏と上京と同時に同棲したけど、３ヶ月で終わりを迎えた。

おばあちゃんには言えなくて、何年も前に□先輩が上京してたから、頼ったのは先輩だった。

「久々に連絡してきたと思ったら、別れたって何。」

花粉症の時期でもないのにマスクしてる理由を聞けば、インフルエンザの予防だとか、眼鏡をかけるほど目が悪かったっけ？と聞けば、ファッションだと言う□先輩。

待ち合わせの時、外が暗い事もあったけど、誰か分からんかったよ、私。
声かけられた時は怖かった。

□先輩がよく来るという居酒屋の個室で、話した。

『合わなかったの。一緒に生活すると。』
「中学からの付き合いだったのに。溺愛されてて、大人になったらそのまま結婚するんだと思ってた。」

先輩の言葉に力なく笑う。

先輩にも言えない。
別れた本当の理由。

「まあ、ケンカとかで感情的になった結果じゃないなら良いけど。それで？今どこに住んでるの？」

『ネットカフェか仕事場の休憩室。必需品はロッカー。不動産屋に行って条件言ったけど、いいとこなくて、連絡待ち。』

先輩が呆れたようにため息をついた。

「･･･分かった。今日は私の家おいで。ちょっと早めに店出て、ロッカーに取りに行こう。」
『ええ？でも･･･』
「でもも何もない！仕事場の友達は？」

『上京して最初に働いていた所は、最近辞めたの。今は正社員の仕事探しながら、アニメとかゲーム関係の物を取り扱ってるお店で働き始めたばかりで友達いなくて。』
「アニメとかゲーム！！」

□先輩の目がキラキラしてる。
本当に好きだな、こういうの。

私も先輩のおかげで、少しは分かるから店に貢献できそうって意味で、バイト始めたもんなあ。

「Aの家具とかの荷物は？」
『元彼にあげた。』

「うわ･･･思い切ったね･･･。じゃあ、家賃安くて良い所、出来るだけ早く探さないとね･･･」
『住めればいいから、早く見つかると思うけど･･･』

条件的には、そこまで拘ってるワケじゃないから、何でも良い。

一通り食事してからお手洗いに行って戻ると、□先輩が電話をしてるような声が聞こえた。
そっとドアの隙間から見ると、見たことない位に幸せそうに話してる先輩がいた。